クラレは1月20日、東京ビッグサイトで25日から開催される「第15回 オートモーティブ ワールド(クルマの先端技術展)」において、「第13回 クルマの軽量化 技術展」に出展すると発表した。同社の独自技術により開発した、自動車部材の軽量化・高機能化に貢献する4つの複合材料関連素材を紹介する。
主な出展製品は、「表面平滑性付与シート(開発品)」「熱膨張固定シート(開発品)」「『アーネストン』振動減衰グレード」「新規耐熱コンポジット(開発品)」となっている。
「表面平滑性付与シート(開発品)」は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の表層に積層し成形することで、CFRPのボイドを低減し、表面の平滑性を高めることができるフェノキシ樹脂製メルトブローン不織布シートで、フィルムシートと比較して、通気性が良いため、熱成形時に空気が抜けやすく成形性に優れている。
「熱膨張固定シート(開発品)」は、加熱による膨張性能を利用し、部材同士を短時間で固定できるシートで、エポキシ樹脂での固定と比較し、有機溶剤を使用しないためVOC(揮発性有機化合物)の発生を低減できる。膨張後は多孔質構造となるため、断熱性や通液・通気性を有する熱マネジメント部材としても機能する。
「『アーネストン』振動減衰グレード」は、振動減衰性を有する熱可塑性エラストマーで、メッシュフィルム、シート、不織布、発泡シートなど、用途に合わせて多様な形状で提供可能となる。自動車の様々な騒音(ロードノイズ、エアコンの振動音など)の主な原因となる振動を減衰し、騒音を低減する効果が期待できる。CFRPとの複合化により、テニスラケットなどスポーツ用品向けの新しい振動減衰材としても採用が拡大している。
「新規耐熱コンポジット(開発品)」は、荷重たわみ温度が300℃を超える複合材料で、ポリカーボネート樹脂とフェノキシ樹脂の硬化反応を利用している。300℃未満で成形することができるため、高温での成形が難しい装置でも成形が可能となり、成形時のエネルギー削減にも貢献する。