三菱ケミカルグループは1月25日、同社ニュースレターにおいて、同社が取り組んでいる様々な素材のリサイクルの中から事例を発表した。
同社は、廃棄物という概念のない循環型社会・サーキュラーエコノミーを推進するための取り組みを10年以上前から行っている。同レターではとくに、コロナ禍により街中でもよく目にするようになった飛沫感染防止用パネルにも使われるアクリル樹脂のリサイクルについて、これまでの取り組みや今後の展望などを掘り下げて紹介している。
SDGsに貢献する同社のリサイクル事例として、同社は以下の3点を紹介している。
①アクリル樹脂のリサイクルの取り組み
同社は、使用済みのアクリル樹脂製品を回収し、従来品のアクリル樹脂と同等の品質を持つリサイクル品をつくるケミカルリサイクル技術の開発を行っている。2021年6月には実証実験のためのリサイクル設備を建設した。アフターコロナで大量に廃棄されることが予想されるアクリル樹脂製の飛沫感染防止用パネルでは、社会からのリサイクル要請がますます高まっているアクリル樹脂について、同社グループではケミカルリサイクル事業化に向けて様々な実証実験を進めている。
②ENEOSと共同で行うプラスチック油化の取り組み
同社は茨城事業所において、ENEOSとともにプラスチック油化共同事業を開始する。現在建設中の国内最大規模のリサイクル設備で廃プラスチック問題に取り組んでいく。
③炭素繊維のリサイクル事業への本格参入
炭素繊維は自動車を含むモビリティ全般の軽量化にも貢献している。同社は、炭素繊維製品の製造、回収、リサイクルまで一貫して実施できるビジネスモデルを日本と欧州で展開し、さらにはリサイクル炭素繊維の用途開発も含めて活動していく。