■ 新年インタビュー
現地開発体制強化を急ぐ
豊田合成 小山享社長
「会社の将来がかかる課題に対して迅速果敢に実行したい」と今年の抱負を述べる豊田合成の小山享社長。足元の事業環境やBEV(バッテリ式電気自動車)化に向けた製品開発、カーボンニュートラルなどついて小山社長に聞いた。
◆昨年を振り返って。
コロナの感染拡大や半導体不足が続いている上、ロシアのウクライナ侵攻、円安進行やエネルギー価格の高騰など色々な環境変化が起きた。こうした想定外のリスクに備える必要はあるが、目先のことに一喜一憂せず、事業の基盤となる部分は先を見据えて手を打つことが大切だ。もう一度気を引き締めないといけないと感じた年だった。
◆足元の事業環境は。
22年度上期は米州、アジアの収益力が前年同期に比べて回復してきた。収益の柱の一つである米州では、一昨年は生産性が若干下がっていたが、本社からの支援などを通じて収益は回復している。
中国では年末から年明けにかけてコロナ感染が急拡大している。自動車メーカーの生産が減り、当社の中国拠点も生産調整している。ただ、感染が収束に向かえば景気も上向くだろう。一方、中国市場は電動車比率が高まっている。電動車に対応した製品の提案力を高めないと変化の速い中国で生き残れないという危機感がある。
国内では半導体不足は緩和に向かうとみているが、海外経済の減速に足を引っ張られないかが心配。自動車メーカー各社の受注残への対応に伴う
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