GfK Japanは1月26日、全国のカー用品店、タイヤ専門店、ガソリンスタンド、ホームセンター、インターネットの販売実績データをもとに、市場規模相当に拡大推計した2022年のタイヤ、エンジンオイル、自動車用バッテリーの販売動向の調査結果を発表した。
タイヤ全体・夏タイヤでは、2022年の国内タイヤ市場は数量前年比7・5%増と堅調で、店頭販売では同2・7%増と微増であったが、インターネット販売では同14・9%増と好調であった。
2022年、原材料費の高騰等によりメーカーの出荷価格が引き上げられることとなり、その直前期には特需が発生した。月別の販売動向をみると、3月は数量前年比36・2%増、8月は同22・9%増にまで達した。特需後、大きな反動減がみられなかったこともあり、通年でもプラス成長を維持する結果となった。
夏タイヤは数量前年比5・8%増で、店頭販売では2・8%増、インターネット販売では10・1%増であった。上述のメーカー出荷価格引き上げにより、実売価格も上昇した。2022年の平均価格は、店頭販売では前年から5・5%上昇し9960円、インターネット販売では9・3%上昇し8394円となった。この結果、夏タイヤの金額前年比は店頭販売では8・5%増、インターネット販売では20・4%増に達した。
夏タイヤでは大きいサイズへの需要が徐々に高まっており、これも価格上昇の一因と考えることができる。17インチ以上の数量構成比をみると、店頭販売では前年の12・4%から13・3%に、インターネット販売では28・7%から29・4%に拡大した。金額構成比では、店頭販売では30・2%、インターネット販売では52・9%に至った。なお17インチ以上での販売上位3サイズは、店頭販売では215・55・17、215・45・17、225・45・18、インターネット販売では225・45・18、215・55・17、215・45・17であった。
冬タイヤでは、2022年9~12月の冬タイヤ販売は数量前年比3・8%増であったが、店頭販売では同4・3%減と前年を下回った。降雪地域の販売状況をみると、北海道では数量前年比22・8%減と大きく落ち込み、東北では同4・0%減、北陸では7・8%減であった。
また2022年12月、全国的に急激に冷え込んだことにより、九州でも冬タイヤに対する販売が増加した。特に12月19日週ではタイヤ全体に対する冬タイヤの数量構成比が50%を超えた。インターネット販売は数量前年比21・5%増と好調であった。
冬タイヤでも実売価格は上昇しており、2022年9~12月、店頭販売では前年から5・2%上昇し1万2285円、インターネット販売では14・5%上昇し1万1740円であった。
オールシーズンタイヤは国内タイヤ販売の2・0%(2022年、数量ベース)にとどまるが、ここ数年販売を伸ばし続けており、2018年と比較すると2022年の販売数量は1・9倍に達した。また前年からも23・6%増と二桁成長を遂げた。地域別の数量構成比をみると、首都圏で39・3%、東海で17・6%、近畿で11・0%と都市部での需要が高いことが読み取れる。
エンジンオイルでは、2022年の国内エンジンオイル市場は販売量前年比4・2%減と微減であった。店頭販売では6月を除く各月で前年を下回り、通年で同5・8%減であったことに対し、インターネット販売ではすべての月でプラス成長を見せ、結果、通年で同20・6%増と二桁成長を遂げた。
最も販売規模の大きい4L缶は数量前年比2・5%減で、店頭販売では同2・9%減であった一方、インターネット販売では同2・0%と微増であった。原油価格の高騰を受けエンジンオイルの実売価格も上昇しており、店頭販売の平均価格が3704円と前年から3・3%上昇、金額前年比は0・3%増と前年並みとなった。インターネット販売では、約8割(販売量ベース)を占める全合成油の平均価格が前年から11・7%上昇したことから、全体の平均価格は3931円と前年から9・1%上昇した。結果、金額前年比は11・3%増と好調であった。
4L缶では0W―20の販売が最も多く数量ベースで41・9%を占めたが、前年からは1・0%減と販売を落とす結果となった。他方、0W―16は数量前年比32・4%増、0W―30は同20・5%増と大幅な伸長を見せた。
4L缶に次いで販売規模の大きい3L缶は、数量前年比3・7%増と微増であった。粘度別では、5W―30が数量前年比6・0%増、0W―20が同4・1%増と販売を伸ばし、3L缶における数量構成比はそれぞれ45・3%、36・4%と合計で8割を超えた。
自動車用バッテリーでは、2022年の国内自動車用バッテリー市場は数量前年比3・0%増と微増であった。月別にみると、前年より気温が低かった2月は販売が急増し、店頭販売では数量前年比18・6%増、インターネット販売では同20・0%増に達した。ただ、店頭販売では需要の最盛期である11月、12月に前年を下回ったことで、通年では数量前年比1・0%増にとどまった。
一方、インターネット販売では通年で同7・0%増と堅調に推移した。2022年、鉛価格等の高騰や円安の影響を受け、自動車用バッテリーの価格改定が行われた。これより店頭販売の平均価格は1万4001円と5・6%、インターネット販売では1万112円と10・4%上昇した。この結果、金額前年比は店頭販売では6・6%増、インターネット販売では18・2%増と大幅な伸長を見せた。
自動車用バッテリーのサイズ別動向をみると、最も販売の多いB19は、店頭販売では数量前年比3・4%減と前年を下回った一方、インターネット販売では同19・6%と急増した。B20は店頭販売、インターネット販売ともに拡大しており、数量前年比は13・9%増、数量構成比は12・6%に達した。
エンジンタイプ別では、ハイブリッド車向けとアイドリングストップ搭載車向けのバッテリーが好調で、数量前年比はそれぞれ16・6%増、14・5%増と二桁成長を遂げた。数量構成比ではハイブリッド車向けが3・2%、アイドリングストップ搭載車向けが27・9%と、合計で31・1%に至った。