デンカは1月30日、天然素材の卵殻とプラスチックの1つであるポリスチレン(PS)樹脂を配合した、地球にやさしいサステナブルプラスチック「PLATIECO」を開発したと発表した。同開発品はプラスチックの使用量と温室効果ガスの削減に貢献する製品として、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」にて実用化されるなど評価を得ており、2 月 1 日(水)~3 日(金)に東京ビッグサイトで開催される「コンバーティングテクノロジー総合展2023(新機能性材料展)」にて実物を展示する。
同社グループでは、独自のスチレンチェーンにより、幅広い用途で使用される機能性ポリスチレン樹脂製品を製造・供給している。2050 年度カーボンニュートラル達成の目標に向けて、ポリスチレン樹脂のケミカルリサイクル設備導入と同時に、持続可能な社会の実現に向けた環境貢献製品の開発を進めている。プラスチック使用量削減と天然廃棄物の活用をコンセプトに、通常は食品産業廃棄物として焼却・廃棄処分される卵殻を PS樹脂に配合することで、使われるエネルギーを軽減し、環境負荷低減に貢献するとした。
同開発品は、既存の PS 樹脂と同等の耐久性と成形性を兼ね備えつつ、50wt%以上の卵殻配合が可能な独自技術を用いている。今後、玩具に留まらず、生活用品や食品容器、家電製品、自動車部品などの幅広い用途で使用できるように、ABS 樹脂との配合やセルロースなどの他の天然素材の有効活用も含めた改良を検討しており、社会全体の CO2排出削減に貢献する。同社はこれからも、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスのもと、世界に誇れる化学で、人々の暮らしと社会に貢献し続けるとしている。