10%増収も大幅な減益 住友化学の4~12月期

2023年02月03日

ゴムタイムス社

 住友化学の2023年3月期第3四半期決算は、売上収益が2兆2570億4500万円で前年同期比10・8%増、コア営業利益は1421億6500万円で同30・9%減、営業利益は714億4100万円で同63・9%減、四半期利益は603億1000万円で同54・9%減となった。
 セグメント別では、エッセンシャルケミカルズの売上収益は同506億円増の6755億円、コア営業利益は同540億円悪化し20億円の損失となった。合成樹脂やメタアクリル、各種工業薬品等は原料価格の上昇により販売価格が上昇した。また、円安による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。一方で、自動車用途を中心に需要が落ち込んだため出荷が減少した。
 エネルギー・機能材料の売上収益は同304億円増の2571億円、コア営業利益は同18億円減少し169億円となった。アルミニウムや正極材料は市況の上昇に伴い、販売価格が上昇した。また、リチウムイオン二次電池用セパレータは出荷が堅調に推移した。さらに、円安による影響もあった。
 情報電子化学の売上収益は同135億円減の3386億円、コア営業利益は同22億円減少し437億円となった。売上収益は在外子会社において円安による邦貨換算差の影響があった。また、半導体プロセス材料である高純度ケミカルやフォトレジストは需要の伸長に伴い出荷が増加した。一方で、ディスプレイ関連材料は巣ごもり需要が一巡したことやインフレ懸念に伴う消費マインドの悪化等により出荷が減少した。
 健康・農業関連事業の売上収益は同1082億円増の4392億円、コア営業利益は同194億円増加し472億円となった。農薬は南米において販売が大幅に増加し、インド等においても出荷が堅調に推移した。また、メチオニン(飼料添加物)は前年同四半期に比べ市況が上昇した。さらに、円安による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。
 2023年3月期通期の連結業績予想は、売上収益が2兆9900億円で同8・1%増、コア営業利益は1200億円で同48・9%減、営業利益は0円で同100・0%減、四半期利益は0円で同100・0%減となっている。

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