三菱重工業は、中国・常熟市(江蘇省)に竣工した工作機械工場で、歯車機械「ドライカットホブ盤(GE15A)」の現地生産を開始した。中国市場での自動車生産台数の急増を受け、現地関連メーカーの設備需要が増加しているのに応えるのが狙い。5月から出荷を開始する。
工場は、三菱重工(常熟)機械有限公司内で、2010年8月から建設を進めてきた。同社は同年12月に常熟菱重機械有限公司から現社名に変更、シェアド ファクトリー(複数製品生産工場)方式でゴム・タイヤ機械の生産拠点も運営している。
約5000平方㍍のスペースに、歯車機械生産用の各種組立・計測関連設備を導入した。実機を展示するとともに、テストカットや加工技術コンサルティングな どの各種サービスを提供することにより、客先の機械加工プロセスをサポートしていく。このため、従業員育成に力を注ぎ、日本と同一水準の技術と品質による 生産およびユーザーサービスができる体制を整えた。
生産を始めた機種は、2002年に市場投入した切削油不要のドライカットホブ盤「GE15A」。同機は世界で初めて完全ドライカットを実現した歯車機械の ベストセラー機で、最大径150㍉までの歯車を、環境に優しく低コストに加工できる。自動車、二輪車、建設機械や各種減速機などの高精度な歯車加工向けを 中心に拡販する。生産台数は初年度約40台、4年後には約100台を見込む。
中国は今後も急速なクルマ社会化の進展に加え、内陸部にも地域開発がおよび自動車や建設機械の増産に向けた設備投資が活発に行われている。
2011年04月25日