エラストマー増収も減益 日本ゼオンの4~12月期

2023年02月03日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは1月31日、オンラインで決算説明会を開催し、松浦一慶取締役常務執行役員基盤事業本部長、曽根芳之取締役常務執行役員管理本部長らが23年3月期第3四半期連結決算の説明を行った。
 売上高は2942億500万円で前年同期比9・5%増、営業利益は278億3500万円で同23・5%減、経常利益は310億8700万円で同20・5%減、四半期純利益は182億8300万円で同33・2%減となった。
 セグメント別ではエラストマー素材事業は、売上高が1673億3300万円、営業利益は122億900万円となった。エラストマー事業について曽根取締役は「エラストマー事業は販売価格の改定により対前年度比では増収となったが、出荷量減の影響で対前期比では減収となった。営業利益はエネルギー価格の高騰を受けて減益となった」と総括した。
 営業利益の増減要因は、販売価格改定が222億円、為替差が94億円のプラス要因になったものの、出荷量減が33億円海上運賃上昇・間接部門費用・配賦増等が51億円、原料価格影響・エネルギー価格高騰等が270億円のマイナス要因となり全体で前年同期比37億円の減益となった。
 合成ゴム関連では、半導体不足等により自動車生産台数が伸び悩む中、国内販売は底堅い需要に支えられ堅調に推移したが、合成ゴムの主力生産工場の定期修理に伴い出荷量を調整した結果、輸出販売数量は前年同期間を下回った。一方、原料高騰分等の価格転嫁が進んだことから、全体の売上高、営業利益はともに前年同期間を上回った。
 合成ラテックス関連では、医療・衛生用手袋の流通在庫が引き続き過剰で需給が緩んだことに加え、原料高騰の影響も重なり、売上高、営業利益ともに前年同期間を大幅に下回った。
 化成品関連では、原料及び物流費上昇分の価格転嫁を進めたことから売上高は前年同期間を上回ったが、価格改定の反動と粘着テープ・ラベル向けの需要減や燃料高騰の影響等を受け、営業利益は前年同期間を下回った。
 通期予想は、前回予想を下方修正し、売上高は3870億円で前年同期比で7・0%増、営業利益は280億円で同37・0%減、経常利益は315億円で同36・3%減、当期純利益は185億円で同44・6%減を見込んでいる。
 エラストマー素材事業部門で市場環境の悪化等による需要の落ち込みや燃料高騰の影響等を受けるとともに、高機能材料事業部門において顧客の在庫調整の影響等を受ける事を予想し、売上高、営業利益、経常利益を下方修正した。

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