企業特集
即納体制での切削加工が強み DX化で事業範囲拡大狙う
カネテック
創業から33年にわたって工業用ゴムの加工品製造に取り組んできたカネテック(東京都江東区、金平學文社長)。同社の沿革や強み、今後の事業方針などについて、金平氏に話を伺った。
◆御社の沿革について。
1990年(平成2年)3月に東京都足立区で私の個人事務所「カネヒラ」として創業した。その後、私の地元でもある江東区塩浜に事務所を移転し、同年10月に株式会社カネテックに組織変更した。創業当初は支給品の工業用ゴム製品加工からスタートし、現在にいたるまでカット加工・切削・穴あけ加工・接着加工を中心としたゴム製品の加工品製造に取り組んでいる。
◆御社の強みを教えてください。
受注から最短の期間で納品する即納体制を整えていることが強みだ。当社では見積もり段階でも依頼をいただいたら即日には回答するスピーディな対応を行い、製品によっては注文を受けたその日に納品が完了するような即日での納入も可能としている。
また、シリコーンゴムやフッ素ゴム、EPDMなどの接着しづらいゴム材料でも接着加工を可能とする技術面での強みもある。
◆人材育成について。
現在の従業員数は10名。業界の中でも若い社員が多く、塩浜工場で働く技術スタッフの平均年齢は30歳となっている。事業拡大のために技術スタッフの新規採用にも取り組んでおり、好奇心が強くて自分から積極的に挑戦するようなエネルギーのある人材を募集している。
私も現在67歳で次世代への事業継承の必要性を感じていたが、3年前に娘の希世が後継者の名乗りを上げてくれた。ゴム商社での2年間の勤務を経て、昨年4月に営業部社員として当社へ入社した。現在は各種団体会員との交流や様々な展示会を見学するなどして、カネテックが力となれるような新たなニーズがないか模索している。当社はこれまで顧客から注文を受ける形での営業を続けてきたが、それに加えて積極的にアプローチを仕掛ける営業活動を娘には期待している。
◆今後の事業方針を。
事業のDX化を推進していく方針。創業当時のゴム加工は手作業が中心だったが、CADデータを自動で切り抜くカッティングマシーンが登場し、IT化による製作時間短縮や作業の効率化が実現できた。今後も新規機械を導入して取扱業務の幅を広げていきたい。事務処理面においてもクラウドソフトや会計のソフトの活用、ペーパーレス化などのDX化への取り組みを推進している。
足元の動向では、リーマンショック以降ゴムの受注数は目減りしている状況で、コロナ禍による経済的打撃や原材料高騰の影響も受けている。このような状況下でも前向きな姿勢を忘れないでいきたい。当社がこれまで危機を乗り越えられたのは前向きに考えてきたからだと思う。当社は常に出来る・出来ないの軸でものごとを考えるのではなく、やる・やらないの二択でチャレンジし続けてきた。これからもポジティブシンキングを大事にしていく。