ダイセルの23年3月期第3四半期連結決算は、売上高は4045億1300万円で前年同期比17・9%増、営業利益は365億6600万円で同6・9%減、経常利益は397億6600万円で同7・9%減、四半期純利益は295億4800万円で同25・7%増となった。
セグメント別では、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は1830億5900万円で同16・8%増、営業利益は208億6800万円で同24・9%増となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックスの事業は、日系自動車生産台数の減少予想による自動車部品メーカーの在庫圧縮の影響を受け、新型コロナウイルスの影響からの需要回復で販売数量が急増していた前年同期と比較して販売数量が減少したものの、継続的な販売価格の是正や、為替の影響により、増収となった。ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、フィルム、水溶性高分子などダイセルミライズの事業は、販売数量の増加や、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正などにより、増収となった。
マテリアル事業の売上高は1135億600万円で同27・2%増、営業利益は136億5800万円で同1・9%減となった。酢酸は、定期修繕に伴う販売調整や、前期高騰した酢酸市況の軟化により、減収となった。酢酸誘導体は、酢酸エチルの販売数量増加などにより、増収となった。アセテート・トウは、前年同期の減収要因であった会計基準変更の影響が無くなったことや、加熱式たばこ用の需要増加などによる販売数量の増加、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正、為替の影響などにより増収となった。カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは、自動車向け塗料保護フィルム用途の需要拡大によりカプロラクトン誘導体の販売数量が増加したことや、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正、為替の影響などにより、増収となった。
23年3月期通期の連結業績予想は、売上高は5790億円で同23・7%増、営業利益は540億円で同6・5%増、経常利益は590億円で同3・0%増、当期純利益は410億円で同31・2%増を見込んでいる。
2023年02月03日