JSRの2023年3月期第3四半期連結決算は、売上収益は3129億5600万円で前年同期比22・0%増、コア営業利益は315億1100万円で同25・5%減、四半期利益は196億1900万円で同44・5%減となった。
セグメント別では、デジタルソリューション事業の売上収益は1350億7500万円で同9・6%増、コア営業利益は266億9200万円で同26・5%減となった。堅調な半導体市場を背景とした販売拡大及び為替が円安に推移したことにより売上収益は前年同期を上回った。コア営業利益は、フラットパネルディスプレイ市場の停滞、先行投資の増加、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を契機とする原油価格の高騰による原料代や輸送費の高騰、前年同期に発生したInpria Corporationの完全子会社化による再評価益の剥落等により、前年同期を下回った。
ライフサイエンス事業の売上収益は930億4700万円で同74・5%増、コア営業利益は66億8900万円で同74・2%増となった。主にCDMO事業、CRO事業の販売拡大、診断薬事業の好調及び為替が円安に推移したことにより売上収益は前年同期を上回った。コア営業利益は、CDMO事業を行う同社グループのKBI Biopharmaでの新工場の立ち上げに伴う費用の増加等はあるものの、医学生物学研究所(MBL)での新型コロナウィルス抗原検査キットの販売が好調に推移し、前年同期を上回った。
合成樹脂事業の売上収益は722億5000万円で同2・2%増、コア営業利益は12億8100万円で同74・6%減となった。主な対面市場である自動車市場が回復傾向にあり、販売価格の改定も寄与し、売上収益は前年同期をやや上回った。コア営業利益は、原料価格の上昇に伴う売買スプレッドの悪化により、前年同期を下回った。
2023年3月期の通期連結業績予想は、売上収益は4110億円で同20・5%増、コア営業利益は340億円で同21・5%減、当期利益は240億円で同35・7%減を見込んでいる。
2023年02月07日