三井化学は2月8日、旭化成との共同新設分割により、2023年10月2日(予定)を効力発生日として新会社を設立し、両社が日本国内、およびタイにおいて営む不織布関連製品の開発・製造・販売に関する事業を承継させること等を内容とする事業統合契約を締結することを決議したと発表した。なお、同共同新設分割による新会社の設立は、日本およびタイの競争法その他の法令等に基づき必要なクリアランス・許認可等の取得が完了することが前提となる。
同社は、新たな長期経営計画「VISION 2030」においてライフ&ヘルスケアソリューション分野の中で、不織布事業を成長事業の一つと位置付けている。同社は、1971年に不織布の製造、販売を開始して以来、川上の原料から一貫で開発、製造できる強みを生かして衛生材料分野や産業材料向けに油吸収材、自動車内装材、土木資材、フィルター向けなど特長的な製品を開発し販売を行っている。また、2001年にはタイにも製造販売拠点を設け、積極的に海外への展開も進めてきた。
一方で、近年アジアでの競合メーカーによる増強が続き、またRCEP発効に伴う関税撤廃の影響を受けて、不織布市場の益々の競争激化が想定される。同社と旭化成は、競争力を保持し、継続的に事業を拡大していくことを最重要課題としていること、また、環境対応や安定供給といった社会的な要請が高まっていることから、これまで両社共同で事業強化の方策、可能性について議論を重ねてきた。その結果、両社の事業を統合することで、持続的に成長を見込める事業へ変革することが最善の策であるとの結論に至った。
同社は今後、同事業統合を通じて事業基盤を強化し、両社の技術やノウハウを融合させ、シナジーの最大化を図ることで、グローバルで存在感のある不織布メーカーとして、事業の更なる成長と持続可能な社会への貢献を目指していく。
同共同新設分割による新設会社は、同社の連結子会社となる。なお同社は、連結業績への影響は軽微であるとしている。