GSIクレオスは2月9日、同社がグランツとともに取り組む、「海水・淡水中での生分解性を有するバイオマス複合プラスチック製ルアーの開発・普及促進事業」が、環境省から公募の「令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択されたと発表した。
これを受け両社は、バイオマス複合プラスチック製ルアーの開発および製品化を進め、従来型の非生分解性ルアーの代替として生分解性ルアーの普及に取り組んでいく。あわせて、ライフサイクルでの温室効果ガス排出削減効果の定量化等を行い、取り組みの効果を見える化していく。
世界中の海に存在するプラスチックごみのうち、約3000万tは漁業など海で発生した廃棄物とされている。近年の釣りブームにより、プラスチック製の釣り関係製品の出荷が増えているが、なかでも「ルアー(疑似餌)」は海洋プラスチック問題の一因となっている恐れがある。そのため、ルアーの材質を海水・淡水中で生分解される素材に転換することが急務であると考え、同社とグランツは共同で、海水・淡水中での生分解性を有するバイオマス複合プラスチック製ルアーの開発に着手することとした。
両社は、海水・淡水中での生分解性を有するハードルアーとソフトルアーの製品化を目指している。同社が国内輸入代理店を務める生分解性樹脂「マタビー」と生分解性の可塑剤や添加剤等(生分解後に毒性等が残らないものに限る)を、樹脂コンパウンドのエキスパートであるグランツにて加工し、ルアーに求められる素材特性と海水・淡水中での生分解性を両立する素材(コンパウンド)の開発に注力している。現在は化学物質評価研究機構(CERI)にて、試作したコンパウンドの⾧期海洋生分解性試験を実施している。
今後両社は、当該ルアーの環境負荷低減効果をさらに優れたものとするため、バイオマス原料の配合率や生分解性をより高めたコンパウンドの開発を目指すとともに、バイオマス原料の混合技術の向上に取り組むほか、環境負荷の低減効果を見える化していくとしている。