イソプレンは増収減益 クラレの22年12月期

2023年02月14日

ゴムタイムス社

 クラレは2月9日、決算説明会を開催し、川原仁社長らが22年12月期連結決算について説明を行った。22年12月期連結決算は、売上高が7563億7600万円、営業利益は871億3900万円、経常利益は840億6000万円、当期純利益は543億700万円となった。なお、同社は当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、対前期増減率は記載していない。
 川原社長は「高付加価値製品の安定供給に注力するとともに原料価格高騰の影響を受けた製品の価格改定を進めてきた結果、売上高、営業利益、経常利益は過去最高、当期純利益も過去最高の水準となった」と述べた。
 セグメントのうち、イソプレンの売上高は656億3500万円で同37億円増、営業利益は42億7000万円で同18億円減となった。製品別では、イソプレンケミカル、エラストマーは、原燃料価格高騰を受け製品価格の改定を進めた。一方、一時的な原料調達難や、年後半の需要減退により販売量が減少した。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は自動車部材や電気・電子デバイスの在庫調整などの影響を受け販売量が減少した。
 ビニルアセテートの売上高は3853億4500万円で同807億円増、営業利益は806億5500万円で193億円増となった。製品別にみると、ポバール樹脂は米国子会社の一部生産設備の不具合による停止や、年後半の需要減退により販売量が減少した。光学用ポバールフィルムは、年央以降液晶パネルの在庫調整の影響を受け出荷が大幅に減少した。
 なお、22年度は光学用ポバールフィルム生産設備の増設を決定したほか、エバールでは欧州や米国でのデポトルを決定した。さらに、液状ゴムでも国内(鹿島工場)でデポトル増強を決定した。「国内の液状ゴム生産は現在比で20%増える見込み」(同社)としている。
 23年12月期の連結業績見通しについては、売上高は8300億円で前期比9・7%増、営業利益は840億円で同3・6%減、経常利益は790億円で同6・0%減、当期純利益は510億円で同6・1%減を見込んでいる。

川原仁社長

川原仁社長

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