東洋紡の23年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2987億3800万円で前年同期比8・8%増、営業利益は95億6800万円で同58・2%減、経常利益は69億4300万円で同61・8%減、四半期純利益は97億5900万円で同19・5%減となった。
セグメントのうち、フィルム・機能マテリアルセグメントの売上高は1283億円で同0・8%増、営業利益は45億円で同72・8%減。製品価格改定を進めたが、原燃料価格高騰と工業用フィルムの市況悪化の影響が大きく、増収減益となった。フィルム事業では、包装用フィルムは、原燃料価格高騰に対し製品価格の改定が追いつかなかった。工業用フィルムは、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」、セラミックコンデンサ用離型フィルムが、一時的な市況悪化の影響を受け、販売が減少した。機能マテリアル事業では、工業用接着剤「バイロン」は、中国のゼロコロナ政策の影響を受け、販売が減少した。
生活・環境セグメントの売上高は945億円で同14・7%増、営業利益は16億円で同40・5%減。環境ソリューション事業は堅調に推移した。一方、不織布マテリアル事業は、製品価格改定を進めたが、原燃料価格高騰の影響が大きく、増収減益となった。環境ソリューション事業では、世界的なEV化に伴うリチウムイオン電池の需要拡大を受けて、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC処理装置、および交換エレメントの販売が堅調に推移した。不織布マテリアル事業では、原燃料価格高騰に対する製品価格改定が追いつかなかった。高機能ファイバー事業では、「ザイロン」は建築補強用途、自転車タイヤ用途、「イザナス」は釣糸用途を中心に販売が堅調に推移した。
通期予想については、11月10日に公表された業績予想から修正し、売上高は4000億円で前期比6・5%増、営業利益は110億円で同61・3%減、経常利益は75億円で同67・5%減、当期純利益は65億円で同49・5%減を見込んでいる。
2023年02月14日