帝人の23年3月期第3四半期連結決算は、売上高が7650億9900万円で前年同期比11・4%増、営業利益は148億3400万円で同61・1%減、経常利益は174億5600万円で同57・8%減、四半期純損失は70億5300万円(前年同期は258億円の利益)となった。
セグメント別では、マテリアルの売上高は3465億円で同21・8%増、営業損失は120億円となった。アラミド繊維(増収・増益)は、労働需給の逼迫やサプライヤーの主要消耗品供給制約等による生産性悪化および原料工場火災による生産ラインの休止等による生産量低下により販売量が減少した。天然ガス価格上昇がコストに大きく影響しており、販売価格改定を実施した。為替影響が収益に貢献した。樹脂(減収・減益)は、中国ロックダウンおよびその後の中国経済減速の影響を受けて、工場の稼働率が低下し販売量が減少した。
ヘルスケアセグメントは、売上高が1153億円で同13・7%減、営業利益は198億円で同47・2%減となった。医薬品では2022年6月に「フェブリク」 の後発品が参入し販売量が減少した。糖尿病治療剤の販売が堅調に推移した。「ソマチュリン」や「ゼオマイン」の販売量が順調に拡大した。
繊維・製品セグメントの売上高は2405億円で同16・3%増、営業利益は82億円で同80・7%増となった。同セグメント(増収・増益)は、産業資材分野は水処理フィルター向けポリエステル短繊維、自動車関連部材、人工皮革が堅調だった。衣料繊維分野は欧米・中国向けのテキスタイル・衣料品の販売が好調に推移した。原燃料価格や物流費の高騰、円安影響による仕入れコスト上昇が業績に影響したものの、繊維原料・テキスタイルの販売価格改定を遂行した。
通期予想は前回公表の業績予想から修正し、売上高は1兆300億円で前年同期比11・2%増、営業利益は100億円で同77・4%減、経常利益は120億円で同75・9%減、当期純損失は180億円(前年同期は160億円の利益)を見込んでいる。
2023年02月13日