豊田合成は2月13日、三重県いなべ市と、水素利用を中心に脱炭素社会の構築に向けた取り組みを推進する包括連携協定を締結したことを発表した。
協定調印式は同日、豊田合成いなべ工場(いなべ市藤原工業団地)にて執り行われた。いなべ市から日沖靖市長、岡正光副市長、同社から小山享社長、小笠原豊執行役員が参加した。
連携協定の概要として、①水素エネルギーの利用促進に向けた理解活動、②FCEVの普及促進、③低炭素農業の実現に向けた実証実験の3点が挙げられる。
①水素エネルギーの利用促進に向けた理解活動では、市民に水素エネルギーを身近に感じてもらう機会の提供(FCEVの試乗会、いなべ工場の見学会、「燃料電池教室」の開催など)を行っていく。②FCEVの普及促進では、近隣企業とも連携したFCEVの導入提言や災害時のFCEVによる電力供給を行う。③低炭素農業の実現に向けた実証実験では、再生可能エネルギーや水素エネルギーの活用によりCO2排出を抑制する「いちご農場」の栽培技術の確立、事業モデルの検証と事業化(カーボンニュートラル夏いちご「いなべリー事業」)を行っていく。
同社は、2018年に新設した「いなべ工場」において、2020年11月から燃料電池車(FCEV)向けの高圧水素タンクを生産している。今回の協定により、水素エネルギーの活用拡大に向けた取り組みをはじめとする脱炭素社会の実現に向けた各種活動を同市と連携して推進し、地域の活力創出と経済発展に貢献していくとしている。