ポリプラスチックスは2月14日、ミリ波レーダー向けの導電グレードDURANEX PBT 201EBを上市したと発表した。201EBは導電性を付与しているため、その付随効果として電磁波しゃへい(吸収)の機能を有している。また、電磁波吸収材に201EBを用いることで、PBT樹脂製のレドーム材と二重成形が可能になり、組立工数を簡略化することが可能となるため、コスト削減に繋がる素材ということができる。
ミリ波レーダーは、ミリ波帯の電波(電磁波)の送受信により、前方車両など対象物との距離・速度・角度を測定するセンサーで、悪天候や夜間でも正確に距離等を把握できるため、後側方を含め車両の周辺監視にもミリ波レーダーを使用するケースが増えており、市場が急拡大している。
同社では、ミリ波レーダーへの採用に向け、「電波吸収材にPBT樹脂を用いることで設計自由度を向上(導電グレード)」「レーザー溶着による小型化の実現(レドーム向けグレード)」の2つのアプローチで、工程コスト低減と設計自由度の向上に貢献していく。
・電波吸収材にPBT樹脂を用いることで設計自由度を向上(導電グレード)
電磁波吸収材を設置することでミリ波の反射ノイズを減らし、ゴーストの発生を抑制する(検知精度を高める)効果がある。DURANEX PBT 201EBは、レドームと同じPBT樹脂をベースとするグレードであり、レドームとの接合性に優れている。たとえば二重成形のような方法を用いることにより、レドームと電磁波吸収材の接合工程を簡易化することができる。
・レーザー溶着による小型化の実現(レドーム向けグレード)
レドームやハウジング材料には、PBT樹脂が多く選定されている。レーザー溶着は透過側(レドーム)からレーザーを透過させ、吸収側(ハウジング)で吸収・発熱させて溶着する技術であり、透過側の材料には高いレーザー透過率と低そり性が求められる。同社にはDURANEX PBT 730LWと、DURANEX PBT 330LWがあり、ニーズに応じて最適な材料を選択することができる。