帝人は2月15日、RePEaT(リピート)が、浙江建信佳人新材料(建信佳人)と、ポリエステル(PET)製品のケミカルリサイクル技術に関するライセンス契約を締結したと発表した。RePEaTにとって、建信佳人は初の技術ライセンスの提供先となる。
RePEaTは、ポリエステル製品のケミカルリサイクルに関する実績やノウハウを有する帝人、総合エンジニアリング事業を手掛け豊富なプラント建設実績と知見を持つ日揮ホールディングス、幅広い事業分野において国内外にネットワークを持つ伊藤忠商事の3社が共同で2023年1月に設立した合弁事業会社で、ポリエステル製品のケミカルリサイクル事業の展開に求められるノウハウや、生産設備の設計や運転といった技術に関するライセンス提供事業を展開している。
建信佳人は、中国で鉄鋼、繊維、建築材料、飲料などの多岐にわたる事業を展開している精工控股集団(精工集団)が環境経営に注力する中で、環境負荷低減に資する事業の強化を目指して2022年に設立したグループ会社であり、同じく精工集団のグループ会社である浙江佳人新材料(佳人新材料)はケミカルリサイクル工場の運転ノウハウを有している。
建信佳人は、RePEaTが有するリサイクルに関する最新技術と佳人新材料のノウハウを融合することで、世界最高レベルの品質を持つポリエステルのケミカルリサイクルチップの製造・販売事業の拡大を図るべく、RePEaTとのライセンス契約締結を決定した。
RePEaTは、自社が有するDMT法と呼ばれる再生ポリエステルの製造技術を効率化・パッケージ化したリサイクル技術を建信佳人に提供する。また、建信佳人は、2024年内に浙江省紹興市においてポリエステル製品のリサイクル工場を新設する予定であり、ライセンスされた技術のさらなる活用を図る。
RePEaTは、CO2の排出や衣料品の大量廃棄といった課題の解決に貢献すべく、資源循環の仕組み(エコシステム)構築を支援し、ポリエステル製品のリサイクルを推進する。また、サプライチェーンでの環境負荷の低減を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。