三菱ケミ、通期予想を上方修正 ロイヤリティ収益計上により

2023年02月25日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは2月16日、2023年2月14日に公表した通り、Novartis社が同社の連結子会社である田辺三菱製薬に対して申し立てていた、Novartis社の製品「ジレニア」に関するロイヤリティ支払いについての仲裁手続きに関して、2023年2月13日に仲裁廷より仲裁判断を受領したことに伴い、2023年2月7日に公表した2023年3月期通期業績予想を修正したと発表した。
 2023年3月期通期連結業績予想(2022 年4月1日~2023 年3月31日)としては、売上収益、前回発表予想4兆5140億円、今回修正予想4兆6400億円、増減額は1260億円となり、増減率は2・8%増となる。
 コア営業利益では、前回発表予想2000億円に対し、今回修正予想3260億円、増減額は1260億円となり、増減率63・0%となる。
 営業利益では、前回発表予想710億円に対し、今回修正予想2000億円、増減額1290億円、増減率181・7%増となる。
 当期利益では、前回発表予想650億円に対し、今回修正予想1550億円、増減額900億円、増減率138・5%、親会社の所有者に帰属する当期利益では、前回発表予想には280億円、今回修正予想1180億円、増減額900億円、増減率321・4%となる。
 基本的1株当り当期利益では、前回発表予想19円69銭に対し、今回修正予想83円00銭となる。
 業績予想修正の理由としては、Novartis社はライセンス契約のロイヤリティ支払い義務を定める規定の一部は無効であるためロイヤリティ支払い義務がないことを主張していたが、仲裁廷より当該規定は全部有効であるとの判断が2023年2月13日になされた。これに伴い仲裁手続き中にIFRS第15号に従い売上収益として認識していなかったロイヤリティについて、2023年3月期第4四半期で一括して売上収益として認識することとなった。また、あわせて当該仲裁手続に対して田辺三菱製薬で要した費用の一部についても Novartis社が負担することとなり、2023年3月期において売上収益約1260億円、その他営業収益約30億円を計上する見込みとなった。

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