住友ゴム工業は2月21日、同社のタイヤ製造・販売子会社であるSumitomo Rubber(Thailand)(「タイ工場」)が、単一事業所では世界最大となる屋根置き太陽光発電設備およびガスコージェネレーションシステムを設置し、関西電力の100%子会社であるKansai Energy Solutions(Thailand)(「K―EST」)からエネルギー供給を受けると発表した。また、同日、タイ工場は再エネ価値の提供に係る契約を関西電力と締結した。
同事業では、環境省の「令和4年度二国間クレジット制度(JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」を用いて、K-ESTがタイ王国ラヨン県にあるタイ工場に屋根置き太陽光発電パネル(出力約22MW、約4万枚)とガスコージェネレーションシステム(6・6MW級×2台)を設置する。同社は、生成された電力と蒸気の全量を、現在工場で利用しているエネルギーの代替として供給する。同事業の実施により、タイ工場は年間約3万8000tのCO2削減を見込んでいる。
また、同工場で使用する電気エネルギーについては、関西電力が調達・提供するI―RECによりゼロカーボン化する。なお同I―RECの調達先は、タイ国内のゴムの木を製材して残る枝や根幹などの廃材を主燃料とするバイオマス発電由来の再エネ価値であり、持続可能な天然ゴムの取り組みにも貢献するものとなる。
同社グループは、気候変動をはじめとする環境問題など地球規模の社会課題が深刻化する中、社会と当社が持続的成長を遂げていくには、2050年を見越した長期視点での方針が必要と考え、2021年8月に策定したサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」の各施策を着実に推進している。カーボンニュートラルの取り組みでは、Scope1、2で設定した2030年CO2排出量50%削減(2017年比)の目標を1年前倒しで達成する見込みとなっている。同社グループは、これからも事業を通じて環境問題や社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の発展に貢献していくとしている。