エボニック インダストリーズは3月2日、2022年度通期業績と2023年度業績予想を発表した。
同社の昨年度は、上期は非常に好調だったが、下期はかなり厳しい状況に見舞われた。通期では、売上高は24%増の185億ユーロとなった。販売数量はわずかに減少し、原材料とエネルギーの価格が大幅に上昇したケースもあった。同社はほとんどの製品において、価格転嫁することができた。調整後EBITDA(支払利息・税金・減価償却費控除前利益)は4%増となり、予想範囲25億ユーロから26億ユーロの下限をほぼ到達することができた。24・9億ユーロの収益は、2012年以来の高水準となった。
同社は2023年度の売上高について、170億ユーロから190億ユーロの範囲、調整後EBITDAは21億ユーロから24億ユーロの範囲を見込んでいる。前年度と比較して、スペシャルティアディティブス部門とスマートマテリアルズ部門、ヘルスケア事業は回復するものの、主に価格主導型であるアニマルニュートリションおよびパフォーマンスインターミディエイツ事業の減益により相殺されることが予想されている。フリーキャッシュフローは増加し、キャッシュコンバージョン率は目標である約40%に向けて上昇すると見込んでいる。
また同社は、持続可能な変革における重要なステップとして、エネルギー供給の迅速な見直しを図っている。風力エネルギーの電力購入契約の締結により、2026年度以降、同社が外部から購入する電力のうち半分以上が再生可能エネルギー源から供給されることになる。2030年度までには、購入電力のすべてがグリーン電力になる予定となっている。