積水化学工業は3月3日、従業員の働きやすさと働きがいを両立する職場づくりと建築物の長寿命化によるライフサイクルCO2の排出削減を目指して、築50年を経過する大阪本社(堂島関電ビル)のリニューアル工事を、関電不動産開発と共同で2023年3月に開始すると発表した。
同リニューアルは、「CASBEE スマートウェルネスオフィス認証」における最高位評価(Sランク)を築30年超のオフィスビルで初めて取得している。また同社は、ペロブスカイト太陽電池をはじめ、20品目以上の自社製品をリニューアルする建物で採用する予定としている。
同社グループは、従業員全員がそれぞれの持ち味を発揮できるよう、働きやすさと働きがいを両立する職場づくりを目指している。今回のリニューアルは、そのための取り組みの一つと位置付けており、「ニューノーマルを体現するオフィス空間づくり」「従業員の個性や価値観を大切に、一人ひとりが活躍できる空間づくり」「快適性、安心・安全対策と『積水』を表現する外装の両立」を実現する。
また同社は、築50年を超える老朽化した建築物を高性能なものへとリニューアルし、長期間使用し続けることで、ライフサイクルを通じたCO2排出削減に貢献する。今回のリニューアル工事で使用される建築資材量を建替えの場合と比較すると、一般的に60~80%のCO2排出量の削減が可能となる。
「CASBEE スマートウェルネスオフィス認証制度」は、建物利用者の健康性・快適性・知的生産性、建物の省エネ環境・安心・安全に関する性能を多角評価する制度であり、築30年超の建物における最高位(Sランク)取得は初めての事例となる。
建築物、インフラの安全性や耐久性、環境性能に貢献する製品を提供している同社グループの製品を、今回のリニューアルでは20品目以上採用する。安全性、防犯性に寄与する合わせガラス用中間膜や、火災が発生すると瞬時に5~40倍に膨張して断熱層を形成する耐火材「フィブロック」などが採用された。また、2025年の実用化を目指して開発中のフィルム型ペロブスカイト太陽電池も設置する予定となっている。