ダイセルは3月6日、第31回地球環境大賞において、「ダイセル式生産革新を進化させた『バーチャルファクトリー』・『自律型生産システム』によるエコロジーとエコノミーの両立」が奨励賞を受賞したと発表した。
地球環境大賞は、1992年に「産業の発展と地球環境との共生」を目指して創設された。フジサンケイグループが主催し、経済産業省、環境省、文部科学省、国土交通省、農林水産省、総務省、日本経済団体連合会、日本商工会議所が後援している。同賞は、地球温暖化の防止、循環型社会の実現に寄与する新技術・新製品の開発、環境保全活動・事業の促進、21世紀の社会システムの探求、地球環境に対する保全意識の一段の向上を目的としている。
同社グループは「サステナブル経営方針」を掲げ、全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型社会構築を目指している。
同社グループでは30年前からDXを実践し、グループ内全工場の情報を同期している。これを基盤に網干工場(兵庫県)と大竹工場(広島県)を一つの仮想工場(バーチャルファクトリー)とし、生産計画の一元化による両工場でのエネルギー需給バランスを最適化させた。エネルギーロスの徹底した低減に加え、余剰電力を各拠点へ自己託送することで、最適化範囲をグループ全体に拡大している。
また、同社が開発した「自律型生産システム」は、「最適運転条件の導出」と「変調原因の早期予測」を可能とした。これにより、運転制御の高精度化による原燃料の利用効率向上、トラブル未然防止による操業度向上および在庫削減を実現している。「自律型生産システム」に搭載したAIは、運転ノウハウを標準化したロジックを組み込み、自社工程だけなくサプライチェーンで繋がる前後の企業にも拡張可能となっている。同社は「自律型生産システム」の普及によるサプライチェーン全体での省エネ、省資源を目指している。
同社グループは今後も、企業の枠を越えて循環型社会の構築に貢献していくとしている。