住友化学子会社が手続き完了 マイオバントを完全子会社化

2023年03月14日

ゴムタイムス社

 住友化学は3月13日、同社子会社の住友ファーマ、住友ファーマの完全子会社であるスミトバント・バイオファーマ・リミテッド(スミトバント社)および住友ファーマの連結子会社であるマイオバント・サイエンシズ・リミテッド(マイオバント社)の3社が、3月10日(現地時間)付で完全子会社化の手続きを完了し、同日付でマイオバント社はスミトバント社の完全子会社となったことを発表した。

 住友ファーマは2022年10月24日付リリースで、3社がスミトバント社によるマイオバント社の完全子会社化に関する契約を締結したことを発表している。

 同完全子会社化は、3月1日(現地時間)に開催されたマイオバント社臨時株主総会において、議決権を行使することのできる出席株主が保有する議決権の過半数およびスミトバント社以外の株主の議決権の過半数の賛成をもって承認された。マイオバント社はニューヨーク証券取引所への上場を廃止し、住友ファーマグループの一企業として事業を継続する。

 同完全子会社化の完了について、住友ファーマの野村博代表取締役社長は「米国ラツーダに依存した収益構造からの転換を図り、新たな成長を牽引していく収益基盤確立のための戦略として、本完全子会社化は重要な施策となる。マイオバント社の進行性前立腺がん治療剤『オルゴビクス』、子宮筋腫治療剤および子宮内膜症治療剤『マイフェンブリー』の成長を加速させ、前立腺がんや婦人科疾患における患者さんの治療に貢献していく。また、本完全子会社化により経営のスピードを加速するとともに、これらの製品から生まれるキャッシュフローを当社グループの持続的成長のために最大限活用していく」と述べている。

 同完全子会社化の対価の総額は、約17億米ドル(約2310億円)となり、これに係る資金については、住友ファーマの手元資金および三井住友銀行からのブリッジローン(900億円)により賄った。同完全子会社化により、住友ファーマの2023年3月期通期連結業績において、コア営業利益以下の各利益段階で減益影響が想定されるが、影響額については現在精査中としている。

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