三菱ケミカルグループは3月10日、アドバンストマテリアルズ本部傘下のビジネスインキュベーターであるGrowth Garageを通じて2022年11月に開始したコーポレートパートナーシッププログラム「The Composite Engineering Challenge」のファイナリストを選定したと発表した。
同社は、今回のパートナーシッププログラムで、最新の複合材料の可能性を最大限に引き出し、高度な生産技術でスケールアップすることを目的に提案を募集した。炭素繊維複合材を用いて各種部材の軽量化を目指す世界中のスタートアップ、起業家、イノベーターなどから数多くの提案を受け、その中から「総合賞」「イノベーション賞」を選出した。加えて、世界中のエンジニアに有益なコンテンツを提供するプラットフォームWevolverと共同で「コミュニティ賞」も併せて選出した。
総合賞には、現在のビジネスや製品開発のステージに合わせて最大2万5000ドル相当の支援パッケージが提供される。イノベーション賞は革新的な提案に対して1万ドル相当の事業化に向けたサポートが提供される。これに加えて、どちらの受賞者にも、業界の専門家や、同社グループのコーポレートベンチャーキャピタルおよびグローバルな事業ネットワークにアクセスする機会が提供される。
また、同社とWevolverと共同で、投票によりコミュニティ賞に選ばれたアイデアは、Growth GarageおよびWevolverのウェブサイトにて、受賞内容と特集記事が掲載される。
・総合賞 Herone社(ドイツ)
リサイクルされた再生炭素繊維を使用した高性能な炭素繊維複合材を製造している。
・イノベーション賞 Project Unlimited(オランダ・デルフト工科大学)
モジュール化された構造により、ユーザーのニーズに的確に対応する義肢システムを構築している。
・コミュニティ賞 Carbo Screen社(ドイツ)
炭素繊維製造に関わる繊維素材および工程パラメータを監視し、微小な欠陥を検出するためのセンサーを開発した。