【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情73 マレーシア編 加藤進一

2023年03月21日

ゴムタイムス社

 2023年2月にインド・マレーシア・シンガポールに出張しました。新型コロナ禍が収まりつつあり、世界各国は外国人の入出国を受け入れつつあり、人の往来が復活してきています。今回はインド樹脂展示会(PlastIndia)を訪問し、その後タイ経由マレーシアで日系ゴム企業を訪問し、加藤産商の子会社でゴム練り工場の埼光ゴムマレーシアで打ち合わせ、そこからシンガポールに行き、日系タイヤ会社を訪問し、帰国しました。機中泊が2泊です。
 インドではもうだれもマスクをしていません。マレーシア・シンガポールではほぼみんなマスクをしていますが、空港内は外国人が多いのかマスクをしている人が少ない。日本到着時にコロナワクチン3回接種のチェックが厳しく、日本の入国管理体制が異常なレベルであると感じてしまいます。それでいて日本の感染者数が多いことが不思議です。一方インド・マレーシアでは新型コロナに感染しても病院に行かない。だからカウントされず感染者数が少ないということでしょうか?
 マレーシアは自動車生産台数が少ないものの、地元のProton車があります。この会社はかつて三菱自動車工業の技術で自動車を生産していましたが、2017年以降は、中国の吉利汽車が約半分の株式を所有しています。この車のデザインもよく中国で見かける形をしています。その他トヨタ、ホンダ車も生産されていますが、タイ・インドネシアに比べると、日系自動車工場、さらに日系ゴム部品会社の規模がはるかに小さいのです。埼光ゴムマレーシア工場ではゴムコンパウンドを生産していますが、その販売先の70%が非日系です。日系向けの販売でも自動車ゴム部品用のコンパウンドが少ないのです。よって主なユーザーは、外資系、特にヨーロッパ系マレーシア工場向けが多いのです。自動車用途ではなく、石油掘削や資源系鉱山で使用するゴム部品向けのコンパウンドが多いのです。マレーシアにはPETRONASという大きな国営石油ガス会社があります。石油ガス生産がこの国の大事な産業であることを認識します。
 マレーシアのゴム産業(天然ゴム以外)は自動車関係のゴム部品より、電気部品用途・石油ガス鉱山関連用途の方が多いのです。

クアラルンプールのホテルの部屋より

クアラルンプールのホテルの部屋より

埼光ゴムマレーシア工場 製造ライン

埼光ゴムマレーシア工場 製造ライン

 

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