アキレス、端材再利用拡大へ 低反発ウレタンフォーム発売

2023年03月15日

ゴムタイムス社

 アキレスは3月1日、低反発ウレタンフォーム端材の再利用を拡大し、焼却廃棄によるCO2排出量の削減を実現する低反発端材使用チップフォーム「フィッティー」の発売を開始した。フィッティーの販売地域は国内と海外(米国、欧州、アジア各国)で、販売目標は年間1億円を掲げている。
 低反発ウレタンフォームは、優れた体圧分散性能や衝撃吸収性能から、寝具や家具、梱包資材、車輌など幅広い分野で利用されている。ただ、需要拡大とともに製造工程で発生する端材の量も増えている。一般にウレタンフォームの端材(汎用端材)は、粉砕後に圧縮成形されてチップフォームと呼ばれる再生材になり、硬さを重視する製品にリサイクルされる。
 しかし、低反発ウレタンフォームの端材(低反発端材)を汎用端材と混合すると、硬度が下がり、チップフォームとしては製品化に適さないものになる。そのため低反発端材の大半が産業廃棄物として焼却処分されていた。 そこで同社では、低反発端材の焼却で生じるCO2排出量の削減を目指し、低反発端材を主原料に、環境対応と高機能性を両立するチップフォームの研究をスタート。一定の比率で汎用端材を混合し、圧縮成形する技術を新たに開発し、衝撃吸収性など低反発ウレタンフォームならではの性能を保持しつつ、環境対応と高機能性を両立するチップフォーム「フィッティー」を生み出すことに成功した。
 フィッティーの特徴は高密度の成形により、一般的な低反発ウレタンフォームに比べて底つき感が生じにくく、厚みを薄くして使用しても衝撃吸収効果、体圧分散効果が得られる点にある。用途は、寝具や家具、梱包材、防護材など幅広い分野の製品に使用でき、低反発端材の再利用を拡大して焼却廃棄によるCO2排出量の削減を実現した。
 フィッティーは、バイオマスフォーム「エアロンエコ」や22年に発売した「CRIIN FOAM」に続く環境配慮型製品となっている。人と環境にやさしく快適な生活空間を創造する企業を目指す同社では、フィッティーの販売を積極的に推進し、国内および海外にも展開していく。

フィッティー

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