ダイセル、広島のホテル採用 海洋生分解性有する歯ブラシ

2023年03月22日

ゴムタイムス社

 ダイセルは3月17日、海洋生分解性を有する酢酸セルロース樹脂を用いた歯ブラシが、広島県内のホテルに採用されたと発表した。

 広島県では、瀬戸内海における海洋プラスチックごみ削減を目指して官民連携組織「GREEN SEA 瀬戸内ひろしま・プラットフォーム(GSHIP)」を設立し、県民と事業者が協働する実効的な対策に取り組んでいる。同社はGSHIPの一員として、広島県内のスタジアムやホテル、飲食店等で酢酸セルロース樹脂を用いたカトラリーやアメニティーを提供し、使用済み製品の回収ルート構築と回収製品のリサイクルを検討する事業に取り組んでいる。

 今回、同社グループの酢酸セルロース樹脂を用いた歯ブラシ(サンヨーアメニティ製造)が、GSHIPの一員である近畿日本ツーリスト商事より発売され、広島県内のホテルに採用されることが決まった。回収した歯ブラシは、瀬戸内海における海洋ごみのうち約1割を占めるカキ養殖用パイプへのリサイクルを検討している。海洋ごみとしてのカキ養殖用パイプは、気象条件等により意図せず流出しているものだが、これを海洋生分解性のある酢酸セルロース樹脂から作ることで、海洋ごみの削減が期待できる。今年2月より、酢酸セルロース樹脂をカキ養殖用パイプとして使う実証実験を、広島県立総合技術研究所の試験筏にて開始している。

 同社グループは循環型社会の構築に向けて、パートナー企業や自治体と協力し、リサイクル性、海洋生分解性など環境にやさしい様々な機能を有する酢酸セルロース樹脂の普及促進に努め、海洋ごみをはじめとする環境問題に積極的な解決策を提案していくとしている。

 

採用された歯ブラシ

採用された歯ブラシ

試験筏

試験筏

実証実験の様子

実証実験の様子

 

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