高耐熱・薄膜・低VOCを実現 積水化学の基材レステープ

2023年03月23日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は3月20日、同社の高機能プラスチックスカンパニーが、高耐熱・薄膜・低VOC・粗面接着性の4つの特性を併せ持った世界で初めての工業用両面テープ「高耐熱基材レステープ 5503HT・5505HR」を3月20日に発売すると発表した。

 電気自動車(EV)へのシフトが加速しているが、EVは動力源がエンジンからモーターに置き換わるため、暖房用熱源にエンジン冷却水が使用できなくなり、電気を熱に変換する高効率な車載ヒーターが新たに必要になる。また、電装部品の増加に伴い車内のスペースがひっ迫するという問題も浮上している。同社は課題解決に向けて取り組んできたが、今回、この課題を解決可能な高耐熱基材レステープの開発に成功した。

 搭乗者の座面付近に設置する輻射ヒーターには必ず搭乗者保護用の布が使用されるが、ヒーターと布の固定には、①高温でも安定した接着力を保つこと、②ヒーター熱の伝わりを少しでも損なわないように、できる限り薄くすること、③布のような粗面にも強い接着力を発現すること、④内装材に使用可能な低VOCであること、の4つの課題があった。同社独自の粘接着技術とポリマー重合技術により開発された同製品は、この4つの課題を全て解決している。

 同製品は、同社独自の精密重合技術を応用し、薄膜でも耐熱性と耐剥離性を両立している。通常、粘着性能は厚みに依存しており、また高温時では糊が溶けて粘着性能が低下するのが一般的だった。同製品は、独自の粘接着技術とポリマー重合技術を応用することにより、薄膜でも耐熱性と耐剥離性を両立している。

 また、180℃の高温下でもズレ「0」の耐熱性、かつ常温下においても強力な粘着力という特徴ももつ。従来達成できなかった高温下での粘着保持力に優れ、一般品と比較して非常に高い耐熱性を有している。常温下においても強力な粘着力(N/25mm)を有し、強固に接着する。

 同製品は、すでにEV車種向け輻射ヒーター固定用途への採用が決定している。また、今後はさまざまな分野への用途展開を加速し、同社は2025年度に売上高5憶円を目指すとしている。

 

5503HT

5503HT

5505HR

5505HR

製品概要

製品概要

精密重合技術

精密重合技術

耐熱性と耐剥離性を両立

耐熱性と耐剥離性を両立

粘着保持力試験

粘着保持力試験

粘着保持力試験方法

粘着保持力試験方法

強力な粘着力

強力な粘着力

低VOC性能

低VOC性能

 

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