売上・EBITDAとも大幅増 ランクセス、22年度通期業績 

2023年03月24日

ゴムタイムス社

 ランクセスは3月22日、2022年度通期の業績を発表した。激変する環境の下、売上高と利益を顕著に増加させた。

 2022年度の連結売上高は80億8800万ユーロで前年比32・6%増となった。特別項目を除くEBITDAは9億3000万ユーロで同14・1%増で、通期の業績予測値(9億ユーロから9億5000万ユーロ)の範囲内に着地した。

 原材料やエネルギーの大幅なコスト増には、市場での販売価格の引き上げにより成功裏に対応することができた。特に成長を牽引したのはスペシャリティアディティブス部門とコンシューマープロテクション部門で、コンシューマープロテクション部門では、2022年7月に買収したIFF社のマイクロビアルコントロール(微生物制御)事業と、2021年8月に買収した米国のエメラルド・カラマ・ケミカル社の事業が利益の増加に貢献した。一方で、2022年第4四半期の販売量の減少は収益にマイナスの影響を及ぼした。

 2022年の配当は、安定的に推移する見込みとなっている。取締役会と監査役会は、2023年5月24日開催予定のバーチャル年次株主総会において、1株当たり1・05ユーロの配当を提案する予定となっている。厳しい事業環境にもかかわらず、前年比横ばいとなっており、同社グループは引き続き、安定配当を維持する方針としている。配当総額約9070万ユーロとなる。

 2023年について同社は、特別項目を除くEBITDAは前年と同水準になると見込んでいる。同時に、同社グループでは、今年度上期のビジネス環境は景気後退の局面を迎えると予想している。前年度第4四半期から続くエネルギー価格の高止まりは、2023年初頭にも影響を与えることが見込まれる。ウクライナ戦争の余波や原材料・エネルギーコストの変動は、依然として不確実性の要因となっている。2023年第1四半期は、特別項目を除くEBITDAは1億8000万ユーロから2億2000万ユーロの間になると見込んでいる。

 

 

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