SABICは3月29日、同社のULTEM 1000樹脂がBeijing LLVision Technology社(LLVision)のAR(拡張現実)スマートグラスに採用されたと発表した。
LLVision社の聴覚障がい者や翻訳ツール利用者に向けた字幕メガネLEION Hey ARスマートグラスは、音声を文字に変換してレンズにリアルタイムに表示することができる。
同社の強靱かつ軽量で非ハロゲン難燃性を備えたULTEM 1000樹脂は、薄肉の中空形状に成形され、ARスマートグラスのテンプル(メガネフレームの耳に掛けるつる)部品に採用されている。中空形状の内部には、リチウムイオン電池と高速多言語翻訳を可能にするコンピュータチップなど、複数のコンポーネントが搭載されている。
LLVision社では、ユーザーが長時間快適に装着できるようテンプル部品の重量を最小限に抑えられるとともに、高い強度によってテンプル部品への主要コンポーネントの内蔵が可能となることからULTEM樹脂の採用を決めた。
ULTEM 1000樹脂は非強化の汎用グレードであり、高耐熱性、高強度、高弾性および幅広い耐薬品性を備えている。また、難燃性に優れており、難燃性に関するUL94規格においてV0、V2および5VAに適合している。同社は、カスタマイズしたグレー色のULTEM樹脂をLLVision社に供給している。