TOYO TIREは3月24日、フラッグシップタイヤブランド「PROXES(プロクセス)」より2月、3月に国内仕様向けに発売された新商品の試走会を栃木県栃木市のGKNドライブラインジャパン・プルービンググラウンドで開催した。
試走会で使用された新商品のタイヤは、2月に発売されたプレミアムスポーツタイヤの「PROXES Sport 2(以下、プロクセス・スポーツ2)」と、3月に発売されたプレミアムコンフォートタイヤの「PROXES Comfort Ⅱs(以下、プロクセス・コンフォートツーエス)」の2製品。
当日は、会場を設けて2製品の紹介が行われたほか、同社テストドライバーによる2製品を装着した車両でのデモ走行と、実際の運転でそれぞれ製品特長を体感できる試走会が実施された。
試走会前に、経営基盤本部長の北川治彦氏が「常に進化を続けているプロクセスを体感していただきたい」とあいさつした。その後、商品企画本部長の宇田潤一氏より、1991年に日米欧をターゲットとした同社初のグローバル商品としてブランドが誕生してから、新車装着やレース参戦を通して認知度や性能・品質の向上を続けているプロクセスの歴史が語られた。
2製品の特長や技術などについては、技術開発本部REタイヤ開発部の白樫良尚氏から解説があった。
白樫氏はプロクセス・スポーツ2の特長について、非対称トレッドコンパウンドにより、ウエット&ドライ面でのグリップ性能とハンドリング性能が向上したほか、新プロファイル形状と高剛性ベルト補強、高張力スチールベルトを採用したことで、ウエット&ドライハンドリング性能も高まったという。
一方、プロクセス・コンフォートツーエスでは、快適な車内空間を実現する高い静粛性、上質な乗り心地と操縦安定性の両立、環境性能と安全性能への対応の3つが特長となっている。技術面では、新シリカ分散剤を採用したことでシリカをより均一に分散させることを実現した。その結果、転がり抵抗低減とウエットグリップ性能の向上を両立した。また、新シリカ分散剤は再生可能なサステナブル素材を採用し、環境にも配慮したタイヤとなった。
プロクセス・スポーツ2の試走はウエットハンドリング路で行われた。従来品の「PROXES Sport(以下、プロクセス・スポーツ)」の装着車両で試走後、同じ条件でプロクセス・スポーツ2を装着した車両で試走し乗り比べを体感。試乗車はBMW3シリーズだった。
また、プロクセス・コンフォートツーエスの試走は、ドライ路面の高速周回路で実施された。こちらも従来品との比較として「PROXES C1S(以下、プロクセス・シーワンエス」を準備し、プロクセス・コンフォートツーエスとの性能の違いが分かるようになっていた。こちらはトヨタのカムリを使用した。
デモ走行は、技術開発本部タイヤ評価開発部のテストドライバー 奈須祐二氏が担当した。
ウエットハンドリング路での走行では、プロクセス・スポーツでも充分にグリップ性能は優れていたが、プロクセス・スポーツ2を試乗した感想として、アスファルトをしっかりと掴んでいるかのようにグリップ性能が向上していることが体感できた。旋回中では、フロントタイヤの反応が早く、リアタイヤがグリップを確保しているため、滑っている感じは全くなかった。またブレーキ操作をしたとき、安定性があったほか、ハンドル操作を切り足したときの安心感もあり、ストレスなく走れることができた。とくにウエット路面での操縦安定性能の高さが窺われた。
プロクセス・コンフォートツーエスの試乗では、ドライ高速周回路を3周した。直線路での走行中、静粛性が向上したため、ノイズの小ささや乗り心地の良さを実感できた。レーンチェンジ時においては、プロクセス・コンフォートツーエスはプロクセス・シーワンエスよりも、ふらつきが小さく収まりも速かった。レーンチェンジがしっかりとでき、操縦安定性が向上していることが体感できた。そのほか、直線で段差を乗り越えた時には、車両が上下した後の収まりもコンフォートツーエスの方が良く感じた。
進化させたプロクセスの2製品の仕上がりを体感できた試走会であった。
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