三菱ケミ、エンプラ事業強化 MEPの株式譲渡完了

2023年04月04日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは4月3日、同社の2022年2月8日付の発表のとおり、三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)の株式25%を、三菱ガス化学へ2023年4月3日付で譲渡したことを発表した。併せて、MEPが展開していた高付加価値ポリカーボネート樹脂「XANTAR(ザンター)」およびポリブチレンテレフタレート樹脂「NOVADURAN(ノバデュラン)」の両事業を、吸収分割の形で同社グループに取り込んだことを発表した。

 これを受け、同社グループは同日付でポリマーズ&コンパウンズ/MMAのポリマーズ本部に「エンジニアリングプラスチック事業部」を発足させ、XANTARやNOVADURANなどのエンプラ事業のさらなる強化を図る。研究開発拠点を平塚工場に立ち上げ、技術開発力の強化にも取り組んでいく。同社グループのグローバルネットワークやケイパビリティを積極的に活用することで、より迅速なテクニカルサービスの提供を実現し、事業拡大を加速させていく。

 経営方針「Forging the future 未来を拓く」のもと、同社グループは機能商品セグメントにおいてEV/モビリティを注力市場と位置づけ、サステナビリティにおけるポジションのさらなる拡大を目指している。XANTAR、NOVADURANはEV(電気自動車)のバッテリーケース・カバーや、ADAS(先進運転支援システム)向けセンサーをはじめとする電装部品に広く使用されている。植物由来のバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO(デュラビオ)」も、耐衝撃性や透明性などの性能や植物由来である点が評価され、自動車の内外装部品などで採用が拡大している。また、ポリカーボネート樹脂ケミカルリサイクルの世界初の事業化や、茨城事業所に建設中の廃プラスチック油化設備から得られるリサイクル原料のエンプラ製品への活用の検討も進めるなど、サステナビリティ関連の取り組みも推進していく。

 同社グループはこれらのグローバルな事業展開を通して、これからも高付加価値な機能商品を供給するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。

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