横浜ゴムは4月3日、神奈川県・平塚市の本社で入社式を開催し、山石昌孝社長が新入社員を前にあいさつした。
山石社長は新入社員に伝えたい言葉として「安全」と「成長」の2つを挙げた。
「安全」では、「当社は2020年に重大災害を発生させてしまった。それまで安全、安全と繰り返し言ってきたが、私自身、本当に本気であったのか、自問自答した。結論は災害を発生させてしまった以上、私が何を言おうと対策が甘かったと言う事だ」と述べ、「その後、絶対に重大事故を起こさないよう、安全投資をして物理的な対策を徹底的に行ってきた。それによって休業災害は減少してきている。一方で、例えば作業中に不注意で足を挫くような、我々が生活型災害と呼んでいる怪我が増加している。こうした災害は投資をしても防ぎきれないものもある。自らの不注意で、怪我をして痛い思いをする、家族や職場の仲間達に心配をかけるなど全く良いことではない。どうか、自分はそうした災害を絶対に起こさないという強い意思を持って仕事にあたってほしい」と強調した。
続いて「成長」では、「皆さんもご承知と思うが、当社は今年4月1日から競泳の池江璃花子選手と所属契約を結んだ。契約を結ぶにあたり「当社は2023年に売上高1兆円を目指します。池江さんも一緒にグローバルに成長しましょう」と話した。そして池江さんは実際に社員の方と話をした際に「世界を相手に自分たちが奮闘してトップに行きたいという気持ちがあると聞き、その想いに強く共感した」とおっしゃっていた。現在、当社は世界で熾烈な競争をしている。当社には100年を超える歴史があるが、それに安閑としていてはすぐに新興メーカーに追い抜かれてしまう。生き残るためには『収益を伴った成長』が必要だ」と同社の置かれている現状について述べた後、「成長することは確かに難しいが、昨年、当社は世界の上位10社のタイヤメーカーの中でも高い成長率を達成することができた。やれば出来る。そして、当社が更に『成長』するために、ここにいる皆さん一人一人の力が必要だ。その第一歩として、職場に配属されたら与えられた仕事をただこなすのではなく、どうすればより良くなるかを常に考えて行動してほしい。皆さんが仕事を通じて「成長」すれば、最終的に会社も「成長」する。この二つ目の「成長」を常に意識をしてほしい」と語った。
最後に山石社長は「この二つの言葉を決して忘れることなく、横浜ゴムの「安全」と「成長」を共に作り上げていけることを切に願う。
改めて皆さんの入社を心から歓迎するとともに、当社での活躍に期待をしている」と締めくくった。
2023年04月04日