挑戦し成長をつかみ取る 新入社員へトップメッセージ

2023年04月07日

ゴムタイムス社

 新年度が始まった4月3日、多くのゴム企業で23年度入社式が行われた。コロナ禍も落ち着いてオンラインから対面形式での入社式を再開する企業も多い中、ゴム企業トップから新入社員に発せられたのは、産業や環境が大きな変化を迎える時代において、「挑戦」や「成長」「夢」といった未来の活躍を期待するメッセージが目立った。また、健康や安全、チームワークの重視といった新社会人に必要となる意識を求める言葉も多かった。
 ブリヂストンの石橋秀一グローバルCEOは新入社員55人を前に、「ブリヂストンとしては、皆さんが「輝き」、挑戦できるプログラムや場を、最大限に整えていく。それらを自分の成長に繋げられるかはどうかは、皆さんにかかっている。社会人、ブリヂストンの一員としての自覚を持ち、 様々な成長の機会を自ら掴み取り、困難なことにも積極的に挑戦してほしい。ブリヂストンの仲間として、これから一緒に頑張っていこう」と激励した。
 住友ゴム工業の山本悟社長は新入社員167人を前に、住友ゴムの一員として大切にしてほしいこととして企業理念「Our Philosophy」を挙げ、「「Our Philosophy」は、世界中の住友ゴムグループで働く約4万人の社員が、同じ方向に向かって進んでいくために持つ共通の指針だ。今、私たちを取り巻く環境は大きく変化しており、どのような未来が訪れるかは不透明だ。変化の激しい環境の中だからこそ「ブレない共通の指針」として、「Our Philosophy」を大切にしてほしい」と挨拶した。
 横浜ゴムの山石昌孝社長は、新入社員に伝えたい言葉として「安全」と「成長」の2つを挙げた。このうち、成長では「昨年、当社は世界の上位10社のタイヤメーカーの中でも高い成長率を達成することができた。当社がさらに「成長」するために、ここにいる皆さん一人一人の力が必要となってくる。その第一歩として、職場に配属されたら与えられた仕事をただこなすのではなく、どうすればより良くなるかを常に考えて行動してほしい。皆さんが仕事を通じて「成長」すれば、最終的に会社も「成長」する。この「成長」を常に意識をしてほしい」と呼び掛けた。
 TOYO TIREの清水隆史社長は、同社グループの一員として、新たな挑戦を始める新入社員にお願いしたいこととして、①挑戦を恐れずに原理原則をしっかり学ぶこと、②お客様に誠実に、そして期待を超えること、③主体性を持ち、連携を大切にするということの3点を示した上で、「この3点は、皆さんの先輩方にも入社時に伝えたものだ。それぞれ、働くうえで意識していただきたい普遍的なものであり、どんな時も心に留め置いてほしいと思う」と語った。
 豊田合成の小山享社長は入社式に参加した新入社員170名に向けて、自動車業界や会社を取り巻く環境が急激に変化し、CASE・MaaSといった次世代技術や持続的成長に向けた取り組みが求められるなか、新入社員一人ひとりへの期待を込めて、①チャレンジを通した成長、②リスペクトとチームワーク、③安全と健康の3つを特に大事にしてほしいと激励した。
 バンドー化学の植野富夫社長は新入社員47人に向けて、「コロナ禍の影響も残るなかで、ロシアのウクライナ侵攻などの地政学的リスクの高まりなど予想もできない事案が次々に起こり、社会の変動性・不確実性・複雑性が一段と高まっているように思う。創業から100年を超え、次の100年に向けて諸先輩方が培った伝統とノウハウを大切に受け継いでいく一方で、時代の変化によって生れる新たな社会ニーズに応えるための変革が求められている。多様な価値観、自由な発想、そしてデジタルネイティブ世代の吸収力と柔軟性を発揮して、一人一人が時代の担い手として今と未来をつなぎ、バンドーグループの輝く未来を創造してくれることを心から願っている」メッセージを送った。
 三ツ星ベルトの池田浩社長は「50年後、100年後も、持続可能な社会の実現に貢献できる会社であり続けるには、当社の基本理念である「人を想い、地球を想う」を大切にした事業活動を進めて行く必要がある。当社は100年以上続いている長寿企業だが、過去の成功体験にとらわれず、事業運営や技術開発においても、大きな変革が求められる。これらをやり遂げるには、 本日入社して私たちの仲間になった皆さんの新しい感性や発想、そして皆さんの新しい風を、三ツ星ベルトに吹き込んでほしい」と語った。
 日本ゼオンの田中公章社長は4年ぶりとなる対面での入社式で挨拶に立ち、①夢を持ち続けること、②会社を変える、ゼオンを変えること、③健康であり続けることの3点をお願いし、「世の中は大きく変わっている。今年度の世界経済の見通しは楽観視できるものではなく、当社もその影響を受けるだろう。将来を見据えて会社も変わらなければならないと痛感している。皆さんはこれから仕事を覚えていくが、その仕事は「本当に必要な仕事なのか」あるいは「もっと効率を上げるためにはこう変えた方が良いのではないか」「もっと違うやり方があるのではないか」と、自分の仕事や周囲の仕事、あるいは会社全体を変えるという意識を持って仕事に取り組んでほしい」などと訓示した。
 住友理工の清水和志社長は新入社員108人に向けた言葉として「萬事入精」と「コミュニケーション」の2つを挙げ、「皆さんには、前例にとらわれず、さまざまな視点で物ごとを進めていただきたいと考えている。お客様、社会の期待に応えるため、真摯な姿勢で仕事に向き合うこと、そしてチームワークを大切にし、組織で結果を出すことが、皆さんの社会人としての成⾧につながる。何ごとにも一生懸命に取り組み、大きく羽ばたいてくれることを期待している」と呼び掛けた。

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