出光興産が共同実証開始 再エネ電力供給とEV充電

2023年04月05日

ゴムタイムス社

 出光興産は4月3日、同社、種子島石油、鹿児島県熊毛郡南種子町が、南種子町役場において小規模オンサイトPPAによる庁舎への電力供給と、EV充電の共同実証を同日から開始したと発表した。

 同共同実証では、同社が開発した電力分別供給システム「IDEPASS」とEV充電システム「再エネチョイス」を活用し、南種子町役場庁舎への再生可能エネルギー(太陽光)由来の電力供給と、従量課金制によるEV普通充電を実施する。

 南種子町は2022年9月に「南種子町ゼロカーボンシティ宣言」を行い、2050年までに温室効果ガス(CO2)の排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を目指すことを表明した。今回の共同実証はその取り組みの一環であり、南種子町役場の敷地内に太陽光発電パネルを設置し、太陽光由来の電力を活用することによるCO2の排出削減を実証する。

 実証にあたっては、今年3月29日に同社が発表した再エネ電力分別供給システム「IDEPASS」を活用し、オンサイトPPAで発電した再エネ電力を南種子町庁舎の一部に選択的に供給する。あわせて、種子島石油が役場内で管理・運用するEV用普通充電器で、再エネ電力および系統から送電された再エネ以外の電力を公用EVなどに充電する。今回設置した普通充電器は、従来主流であった時間単位の課金制ではなく、充電量に比例する従量課金制となる。また、同社が開発したEV充電システム「再エネチョイス」を活用し、EVユーザーが自ら再エネでの充電を選択できる。従量課金制による普通充電、そしてユーザーが再エネを選択できる充電は、国内において先行事例がほとんどなく、ユーザーニーズに合致した価格設定が可能となる。同充電器は一般の方も利用できる。

 実証は4年間の予定で行い、小規模オンサイトPPAの事業性、再エネ電力活用によるCO2の排出削減、従量課金制充電の顧客満足・事業性等について検証する。これらの検証を通じ、同社、種子島石油、南種子町は、低炭素エネルギーの地産地消の推進と、EVユーザーと地域の充電事業運営者にとって最適なサービスの構築を目指す。

 

オンサイトPPA

オンサイトPPA

EV充電器

EV充電器

 

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