昨年は、東日本大震災やタイの洪水で、自然の脅威に驚愕するとともに、こうしたリスクにいかに対峙すべきか、一から考えさせられた年であった。
また、政治・経済面では、中東の混乱や欧州の危機、わが国においては原発、電力不足、超円高、最悪の借金財政問題など、これまでの世の中の底流や枠組みが、果たして今後も持続可能か否か、大きな分水嶺に差し掛かっていると思わざるをえない年だった。
こうした出来事やうねりの渦中にあって、上期は、諸問題の克服によりしっかりとした成果を得ることができた。下期に入りやや翳りが見られるものの中計0911の最終年度にふさわしい成果を残すべく努力して欲しい。
今後の世界の政治経済は、多極化複雑化により不安定感が増す中で、過剰なお金がグローバルに且つ過敏に動き回って実体経済を主導し、翻弄するという本末転倒の状況では、次の新たな安定に到るまでここ1~2年は景気が良い方向あるいは悪い方向であっても、ともに振り子の揺れが今まで以上に頻繁でかつ大きなものになるのではないかと思う。とはいえ、これに一喜一憂する必要はないし、また、右顧左眄してはならない。
次期中長期経営計画は、こうした外部環境の変化を十分に織り込んだ上で策定している。
これまでの当社の強み弱みを洗いざらいさらけだした上で、10年後のニッタグループのありたい姿を描き、その実現の為、既存事業あるいは新規事業でなすべき事、道筋や仕組作りを行っている。4月からはその計画に沿ってひたすらに前進すれば良い。
今年一年の心構えは、3月までは中計0911の目標達成に向け「明るく元気にやり遂げよう」である。
そして、新年度の4月からの心構えについては、3月の創業記念日に、次期中長期経営計画の概要と一緒に説明したい。