新入社員に「挑戦と発見を」 三井化学・橋本社長が祝辞

2023年04月10日

ゴムタイムス社

 三井化学の橋本修社長は4月3日、今年度の新入社員に対し祝辞を述べた。要旨は以下のとおり。

1.はじめに
 新入社員の皆さん、三井化学入社おめでとうございます。三井化学を代表して、皆さんを歓迎します。
 本来ならば、入社式ということで皆さんとは直接会ってお話するところですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、このようなオンライン形式となりますこと、とても残念に思います。
 一方、コロナ禍以前は、入社式は事業所ごとに実施していましたが、本年度もオンラインというメリットを活かして、三井化学に入社する同期が一堂に会すことができるのは、非常に喜ばしいことです。

2.世の中の変化と三井化学グループが果たすべき役割
 いま起きている世の中の変化と、私たち三井化学グループが果たすべき役割についてお話したいと思います。
 新型コロナウイルス感染症はもちろん、米中摩擦やウクライナ侵攻など、我々を取り巻く環境はグローバルレベルで時々刻々と変化しています。こういった中で会社を変革していくのは、プラスの試練だととらえるタイミングだと思っています。
 企業が持続的な成長を実現するためには、変わりゆく事業環境に適合する新たな経営の在り方を創造していくことが必要です。当社グループはこうした環境変化に対応すべく、一昨年VISION 2030を公表、2050年という未来を見据えて、昨年4月より実行フェーズに入りました。
 石炭化学を第一世代、石油化学を第二世代とすれば、昨年来のグリーンケミカルの実現に向けた新たな挑戦やESGを基点とした社会貢献への挑戦は、我々にとっての第三世代と呼ぶべきものです。CO2排出による環境負荷やプラスチックごみ問題等、化学業界としての課題も多く指摘される昨今ですが、環境変化にしなやかに対応し、社会に有用なものを生み出して貢献していくことは100年続く当社グループの歴史そのものであり、我々のDNAです。
 2022年度は上期と下期とで環境が激変しましたが、厳しい状況下でも「やるべきことはやる」スタンスは変わりません。VISION 2030で掲げた5つの基本戦略がしっかりと目標に向かって動いているかを確認するためにKPIを設け、対外的にも公表しました。新しいKPIは従来の財務指標だけでなく、社員のエンゲージメントスコアやBlue Value・Rose Valueの製品売上収益比率、イノベーションに関する新規テーマ登録数といった非財務指標も取り入れています。成果が見えてくるのはこれからですが、会社の成長を確認し実感できる新しい仕組みをスタートし、VISION 2030実現に邁進していきます。
 2023年度は真価が問われる、まさに「挑戦」の年となります。私たちがやるべきことは、毎年の予算達成を積み重ね、VISION 2030の実現に向けて粛々と進めていくことです。2022年度で仕組みづくりをしたので、今年度はその仕組みを一旦回してみる年になります。実行して不具合があれば積極的に意見を出し合い、議論を進めながらブラッシュアップしていくことが重要です。厳しい環境でもチャレンジの気持ちを持ち続け、やり切ることがとても大切です。

3.皆さんに伝えたいこと
(1)安全最優先
 1つめは「安全は全てに優先する」ということです。当社グループの一人ひとりが、「安全は全てに優先する」ことを心に刻み、生産現場のみならず、すべての職場で事故・災害ゼロを目指して頂きたいと思います。また、「健康は企業活動の源泉」なので、当社グループの一人ひとりが健康管理への認識を高めて頂きたいと思います。
(2)自主・自律・協働の実現
 2つめは、「自主・自律・協働」の実現です。企業グループの競争力を高め、すべてのステークホルダーの期待に応えるためには、社員個々人が自ら考え、自分の職責を果たすと共に、個の力を束ね、組織として総合力を発揮していくことが大事です。是非、志を高くもって自己研鑽に励むと共に、周囲のメンバーに積極的に働きかけてください。生活するための手段として会社で働くことも大切ですが、自分の成長のため、会社で自分のやりたいこと、或いは、誰かに貢献するなどの目標をもって新しいことに挑戦してほしいと思います。それは個人としての幅や引き出しの数を増やし価値を高めます。
(3)挑戦による学び(成功・失敗)は競争力の源泉
 3つめは、「挑戦による学び(成功・失敗)は競争力の源泉」であるということです。学びは社会に出てからも続きます。近年の学業も変わりつつありますが、仕事での答えは一つではありません。挑戦に失敗はつきものです。失敗から学び、内省し、そして粘り強く、何度でも挑んでほしいと思います。その先に必ず成長した自分と組織が見えるはずです。三井化学グループは挑戦する皆さんの成長の場・機会を提供し続けます。

4.最後に
 入社してしばらくの間は、VISION 2030において、自分が何をすればいいのか迷う人もいるかもしれません。その時には、仕事をするにあたって、その仕事の目的や意義に立ち返ってほしいと思います。個々の仕事から、お客様や社会にもたらす価値や自身の成長にとっての意味を見出すことは、自らのモチベーションを高める上でも大切です。また、先輩社員から引き継いだ業務につき、「こう変えたらもっと仕事が楽しくなる、楽になる」という視点も大事です。自分なりの工夫を行うことで、その仕事の中に「面白さ」や「遣り甲斐」を見つけてください。その面白さや遣り甲斐の糧になるのが皆さんの「三井化学になぜ入社をしようと思ったか?」にあります。そこには皆さんのこれからのキャリアの上での「Will、志」があり、その想いはこれからのキャリア構築での重要な道しるべになりますので、是非大切にしてください。生まれたときからインターネットやデジタルデバイスを身近に成長してきた皆さんの柔軟な発想やアイデアは、これからのDX時代を生き抜くために当社グループの成長に欠かせないものであり、そして人財であると私は強く信じています。だからこそ、新入社員だからといって臆することなく、自らの考えることは堂々と主張してください。優れた洞察力と構想力、そして強い実行力を持てるよう、日々の挑戦と発見を共に積み重ねていきましょう。
 皆さんの活躍を期待、応援しています。

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