平成24年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
昨年は激動の一年でした。東日本大震災、夏の節電、タイの洪水そして歴史的円高。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、復興事業の本格化により被災地の皆様の苦しみが和らぎ、一刻も早く東北が再生されることを祈念申し上げます。3.11の東日本大震災でサプライチェーンの寸断はあったものの、企業の垣根を越えた取組みの結果1ヵ月後に部分的に生産再開が出来たことで、日本の「ものづくり」の逞しさを再認識することが出来ました。また、震災を通じて学んだ多くの教訓を糧に、今後の成長に繋げていかなくてはいけないと思っております。
大手需要先である建設機械の2011年度上半期(4~9月)出荷額は1兆775億円と前年同期比で19.5%増えました。機種別では油圧ショベル系が好調で、国内ではレンタル会社の保有機の積み増しや更新が好調要因です。海外も高成長を維持しており、最大の市場、中国の失速はあるもののブラジルやロシア、インドネシア向けなどの資源開発国向けの需要に衰えは見えません。自動車は震災による影響から順調に回復しており、10月度の生産台数は前年同月比120%というレベルまで回復していますし、販売も同125%という状況でした。工作機械の1~10月の受注金額も、国内は旺盛な自動車等の設備投資に支えられ急激に回復致しました。お蔭で当工業会の1~10月出荷実績も産業用ゴムホースは354億円(前年同期比120%)、自動車用ゴムホースは103億円(同86%)、樹脂ホース53億円(同118%)、付属金具43億円(同110%)、合計で554億円(同111%)と好調に推移し、年間でも対前年プラスの結果となる見込みでございます。
さて、今年度の景気ですが、サプライチェーンの立て直しや各種の政策効果などを背景に持ち直し傾向が続くことが期待されますが、欧州の政府債務危機などを背景とした海外景気の下振れや為替レート・株価の変動、タイの洪水の影響等による景気の下振れ懸念があります。まだまだ旺盛な新興国や資源開発国向けの建機需要等に期待し、対前年プラスの実績が残せる事を期待して活動して参ります。
昨年も、例年通りホース及び継手関係のJISやISOの審議に積極的に参画して参りました。ISO TC45関連では日本が提案し規格化された「圧力ベースホース規格(ISO18752)」とJISとの整合化に伴うJIS K 6349-3改正原案の作成が、日本ゴム工業会で行われました。本年度、当工業会ではアセンブリ規格のJIS B 8360及び継手金具規格のJIS B 8363の改正原案作りを、日本ゴムホース工業会との合同のRHC委員会で取組みます。また、ISO TC131関連では昨年2月にドイツ、フランクフルト、12月にアメリカ、アリゾナ州スコッツデールの国際会議に委員を派遣致しました。これらの活動は、日本のホースが持つ高い技術力を生かしてのグローバル化に大きく貢献できるものと期待しております。
当工業会といたしましては、これからも会員相互の発展を促進する為、技術の向上並びに普及を図り、公共の安全を確保すると共に、関連業界の発展のために努力して参ります。