三菱ケミカルグループは4月12日、熱可塑性エラストマー「Tefabloc(テファブロック)」が、ゼット社の一般軟式バット「ブラックキャノンAパワー」に採用されたことを発表した。ブラックキャノンAパワーは2023年2月下旬、ゼット社から発売されている。
Tefablocは同社グループの熱可塑性エラストマー製品の基幹ブランドで、優れたゴム特性を持ち、自動車用途(モール/内装射出表皮/グリップ)、産業資材用途(チューブ/グリップ)、生活雑貨用(飲料容器キャップライナーなど)に幅広く採用されている。
今回、ブラックキャノンAパワーに採用された新グレードは、接着剤を介さずに炭素繊維複合材料(CFRP)と強固に接着させることが可能で、フィルム状で打撃部最外層に使用されている。同社のTefablocが耐衝撃性を向上させ、CFRPの強さと軽さを最大限発揮させることで、打球速度のさらなる向上を実現させている。
Tefablocをはじめとする熱可塑性エラストマーは、常温で加硫ゴム同様の弾性を有しながら、熱可塑性樹脂用成形機での加工が可能となっている。また、成形時に発生した端材の再利用が可能であり、環境負荷低減にも貢献できる素材となる。
同社グループは今後も、顧客のニーズに沿った用途拡大や高付加価値なグレードの開発を進め、サステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。