タイヤ4社の23年12月期第1四半期連結決算が出揃った。販売価格改定に加え、高付加価値タイヤの販売が海外を中心に好調に推移し、4社いずれも増収となった。営業利益(事業利益)はブリヂストンは増益となったが、住友ゴム工業、横浜ゴム、TOYOTIREは減益となった。
◆ブリヂストン
売上収益は1兆435億4100万円で前年同期比17・1%増、調整後営業利益は1167億9400万円で同15・5%増、営業利益は1275億100万円で同45・5%増、四半期利益は906億6000万円で同38・6%増だった。
調整後営業利益の増減要因は、原材料で390億円、数量が120億円、加工費が240億円、営業費が130億円、南米通貨が80億円、その他が113億円の減益要因となった一方、売値が900億円、為替が290億円、MIXが40億円の増益要因となり、合計157億円の増益だった。
財別に業績では、PSR/LTRの売上収益(小売・クレジットカード事業含む)は5677億円で同20%増、調整後営業利益は571億円で同6%増。TBR(リドレッド事業含む)の売上収益は2527億円で同8%増、調整後営業利益は241億円で同14%増。スペシャリティーズ(鉱山用、飛行機用、二輪車用タイヤが含まれる)の売上収益は1468億円で同26%増、調整後営業利益は321億円で同41%増となった。
◆住友ゴム工業
売上収益が2767億6100万円で同10・5%増、事業利益は79億7600万円で同46・1%減、営業利益は77億6700万円で同45・2%減、四半期利益は40億600万円で同65・9%減となった。
事業利益の増減要因は原材料で45億円、数量・構成他が194億円、直接原価が39億円、固定費が7億円、為替が3億円、経費が10億円の減益要因となった。一方、価格で108億円、海上運賃は105億円、スポーツは15億円、産業品他は2億円の増益要因となり、合計で68億円の減益となった。
タイヤ事業の売上収益は2297億9200万円で同9・0%増、事業利益は19億3400万円で同81・5%減。国内新車用は前年同期を上回り回復傾向が見られた。
国内市販用は、冬タイヤのプレミアム商品は前年を上回る販売を達成したが、全体の販売は前年同期から微減となった。
海外新車用は半導体不足影響があったが前年同期よりも販売が回復した。
◆横浜ゴム
売上収益は2043億1400万円で同10・1%増、事業利益は130億1300万円で同4・8%減、営業利益は132億600万円で同2・4%減、四半期利益は97億500万円で同4・4%減となった。タイヤの売上収益は1796億5800万円で同10・3%増、事業利益は125億6900万円で同10・4%減となった。
事業利益の増減要因は原料価格で59億円、物流費等で11億円、製造原価で31億円、固定費で22億円、YOHTで11億円の減益要因。一方、為替差で39億円、販売量で4億円、価格MIXで77億円の増益要因となり、タイヤ事業で15億円の減益だった。
◆TOYO TIRE
売上高が1291億6000万円で同26・9%増、営業利益は145億7400万円で同9・9%減、経常利益は158億100万円で同23・0%減、四半期純利益は108億8300万円で同38・8%減となった。タイヤ事業の売上高は1179億5500万円で同28・8%増、営業利益は146億1300万円で同12・3%減となった。
営業利益の増減要因は、製造コストで15億円、販管費で4億円、原材料で28億円、セルビア工場立ち上げコストで17億円が減益要因だったが、販売要因で4億円、為替で37億円、海上運賃高騰影響で3億円、自動車部品事業で5億円が増益要因となった
2023年05月22日