クラレが開発、再生原料使用 環境対応型メタクリル樹脂板

2023年04月24日

ゴムタイムス社

 クラレは4月19日、再生原料の使用で製造工程におけるCO2排出量を約52%削減(当社比)した、環境対応型のメタクリル樹脂板「コモグラス」REを開発したと発表した。2023年1月に試験販売を開始し、今回、花王のスキンケアブランド「Curél」の店頭什器の一部に採用された。同社は、循環型社会の実現に寄与するサステナブルな素材として提案を強化し、2023年中の本格販売を目指す。

 循環型社会への転換が求められる昨今、再生原料を使用するなど環境負荷の低減に寄与する製品の需要が高まっている。同社は、2020年からメタクリル樹脂成形材料のリサイクルをプロジェクト化し、お客様から回収した端材を同社新潟事業所(新潟県胎内市)で再溶融押出するリサイクルチェーンの構築を進めてきた。今回、原材料に再生原料を使用することで限られた資源を有効活用し、環境負荷低減と社会的ニーズに合致した製品を開発した。

 「コモグラス」REは、メタクリル樹脂を加工する際に発生する端材を原料の50%に使用、回収したメタクリル樹脂端材を再溶融し、押出成形した環境対応型のメタクリル樹脂板となっている。端材を活用することで、モノマー合成およびポリマー重合工程が不要となることから、製造工程におけるCO2排出量を約52%削減(当社比)することが可能となる。

 カラーは、透明、白、黒の3色で、2~5mmの厚さから選ぶことができる。用途展開としては、製品陳列什器、看板・サイン・ディスプレイ、キーホルダー・アクリルスタンドなどの雑貨、ノベルティなどが挙げられる。

 

「コモグラス」RE

「コモグラス」RE

採用された店頭什器

採用された店頭什器

 

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