東レがリブランディング実施 繊維リサイクル事業ブランドで

2023年04月27日

ゴムタイムス社

 東レは4月26日、繊維事業において、サステナブルな社会の実現を目指して取り組む、回収PETボトルを繊維原料として再利用する事業のブランド「&+」(アンドプラス)について、回収原料の種類を拡大するなどのリブランディングを実施すると発表した。
 新たな取り組みの第一弾として、従来の回収PETボトルを使用したポリエステルリサイクル繊維に加えて、2023年4月から本格生産を開始した回収漁網由来成分を一部使用したナイロンリサイクル繊維製品(2022年12月5日プレスリリース)について、「アンドプラス」ブランドとして販売する。
 「アンドプラス」は、日本国内で回収したPETボトルを原料としたリサイクル繊維として、2020年1月から発売を開始した。
 「アンドプラス」は、単なる繊維素材のブランドではなく、PETボトルを分別、回収するアクションから、それを原料とする環境配慮型商品の生産と販売、さらにその商品の購入という一連のサイクルのストーリーを「アンドプラス」ブランドとして位置付け、環境問題へ高い関心を持つ消費者にこの回収ストーリーへの共感と参加を目指す取り組みとなる。
 この考えに共感し、参加した消費者が、品質面や機能面で妥協することなく、「本当に欲しいもの」として選択できるよう、同社の技術により回収した商品以上に価値の高い環境配慮型素材を提供し、それが再び商品の形として販売することで、消費者参加型のサステナブルな社会の実現を目指してきた。
 今回、「アンドプラス」のコンセプトである、「回収ストーリーへ参加を促す」という考え方へのより一層の共感を得るため、さらに取り組み範囲を拡大し、回収PETボトルに限らない様々な分野で、繊維素材に再利用する取り組みを開始する。
 新たに、「アンドプラス」として販売する回収漁網由来ナイロンリサイクル繊維素材においても、再資源化事業者や漁網製造会社と連携した独自の漁網回収スキームの下、同社のケミカルリサイクル技術を活用した高付加価値なナイロンリサイクル繊維を生産・販売することで、漁網の回収への参加意識の向上と回収の促進、消費者がより満足できる商品企画に向けて繊維素材のラインアップを拡充する。
 また、回収PETボトルを使用したポリエステルリサイクル繊維と同様、同社独自の「リサイクル識別システム」の導入やリサイクル繊維に関する第三者証明を活用していくことで、より一層のトレーサビリティと信頼性を確保していく。
 同社グループは、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において、「資源が持続可能な形で管理される世界」を、2050年に目指す世界のひとつとし、資源の枯渇問題、大量のゴミによる海洋汚染、CO2排出量の抑制などのさまざまな課題を解決し、持続可能な循環型社会を実現するために全社をあげて取り組んでいる。
 繊維事業においても、資源を有効活用するために、今後も様々な分野で回収ストーリーへの参加を促し、その活動のシンボルとして、「アンドプラス」の取り組みを広く社会へ訴求し、高付加価値なリサイクル繊維のグローバルな事業拡大を目指していく。
 「アンドプラス」のリブランディングの狙いは、「アンドプラス」の活動領域を拡大し、これまでのPETボトルに限定せず、回収漁網や回収衣料など、様々な分野に回収範囲を広げることで、幅広く回収ストーリーへの共感と参加を促す。それにより、同社が保有する高い技術力を活かして再資源化した高付加価値素材のラインナップを拡充し販売を拡大させることで、より一層、持続可能な循環型社会の実現に向けた貢献を加速する。
 リブランディング前後の違いとしては、リブランディング前、回収材料は、ポストコンシューマー材料(回収PETボトル)、素材は、回収PETボトル由来リサイクルポリエステル繊維、商品は、衣料がアウター、インナー、ボトム、シャツ、カットソー、デニムなど、資材が、ワイピング等の不織布、中綿、カーシート、縫糸などであったのに対し、リブランディング後は、回収材料は、ポストコンシューマー材料を含む(回収PETボトル、回収漁網、回収衣料など)、素材は、回収PETボトル由来リサイクルポリエステル繊維、回収漁網由来リサイクルナイロン繊維、回収衣料由来リサイクルナイロン、ポリエステル、アクリル繊維(今後検討予定)、など、商品は、衣料がアウター、インナー、ボトム、シャツ、カットソー、デニム、レッグウェア、アウトドアウェアなど、資材が、ワイピング等の不織布、中綿、カーシート、縫糸、鞄地、漁網、ロープ、カーペットなどとなる。

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