ETICは4月12日、同社が独ICB社と提携しライセンスした中国の浙江石油化工(浙江省舟山市)の溶液重合SSBRプラントが2023年3月に稼働を開始したことを発表した。生産能力は年産6万トン。ICB社は、連続重合工法による耐摩耗性やグリップ性などをバランス良く達成したグレードから、バッチ重合工法による低燃費とグリップ性能の向上を追求した最先端の変性SSBRまで幅広く生産可能なスウィングプラントを導入し、同社は運転指導も行った。
同社とICB社が技術供与することにより、BRプラント(年産6万トン)と設備を一部供用する形で同時に立ち上げたプラントで、中国では今年年央にもう1件、年末までの完成見込みで更に1件が稼働予定。国策の下でEVの生産は中国で急拡大しており、変性SSBRは、中国で急拡大する電気自動車(EV)タイヤ市場で、EVに適したタイヤの原料となる高性能なS-SBRとして、今後一層需要が高まるとみられる。EVタイヤに適した同社SSBR技術はデファクトスタンダードになりつつあり、また新たな引き合いも次々入っている。
同社の技術供与は世界のEV市場をけん引する中国市場でEVタイヤに適した技術の普及に貢献する取り組みと位置づけられる。同社は、環境問題への関心高まりに応えCO2排出量を減らし持続可能なモータリゼーション社会にマッチする更なる新技術の開発及びライセンス展開を一層強化し、スピードが早い中国市場でいち早く技術を確立していくことで、変化の早いグローバル市場への展開の土台を構築していくとしている。
2023年05月02日