出光興産ら3社 種子島でEVレンタカー充電実証開始

2023年05月02日

ゴムタイムス社

 出光興産、種子島石油、ニッポンレンタカーサービスは4月28日、ニッポンレンタカーが鹿児島県種子島で4月10日に実証提供を開始したEVレンタカーについて、種子島石油が運営する島内2ヵ所の急速充電器での充電と、充電料金決済に出光興産の関係会社が提供する決済システムを活用する実証を5月10日に開始すると発表した。
 出光興産と種子島石油はこれまで、西之表市の公共交通車両のEV化・充電を含めたEV関連事業実証や、南種子町役場庁舎や種子島空港ターミナルビルへの再エネ電力の供給・EV 充電等の実証を通じ、種子島におけるエネルギーの地産地消の推進に取り組んできた。
 今回3社で開始する共同実証では、ニッポンレンタカーが提供するEVレンタカーの充電に、種子島石油が島内で運用する2ヵ所の急速充電器を使用する。
 充電は原則としてユーザーの車両返却後にニッポンレンタカーが行い、充電料金は出光興産の関係会社である出光クレジットが提供する法人向け決済システム「出光Bizカードワン」を用いて、ニッポンレンタカーと種子島石油の契約価格に基づき決済する。
 なお、EVレンタカーを利用にするユーザーには、レンタカー使用時の走行距離に基づき、車両返却時に充電料金に相当する費用をお支払いいただく。
 EV レンタカーの充電における法人契約価格での決済は国内における先行事例となる。
 3社は今回の実証を通し、法人向け決済システムによる充電オペレーション、採算性等の事業スキーム等を検討する。また既存の充電器を有効活用し、種子島におけるEV需要と環境意識を喚起し、島内のカーボンニュートラル実現に貢献する。
 また、出光興産とニッポンレンタカーは今回の実証で得られる知見をもとに、今後、他のエリアで同様の取り組みを展開することを検討する。
 実証開始日は2023年5月10日、EVレンタカーの予約・提供方法等は、ニッポンレンタカー種子島西之表営業所確認としている。
 EVレンタカー車種は、SUBARU「ソルテラ」2台、実証で活用するEV急速充電器設置場所は、種子島石油 鴨女町SS、同中種子中央SSとなる。
 実証における各社の役割としては、出光興産は、実証企画主体、ビジネスモデル検討、充電料金支払いスキームの提供、種子島石油は、充電事業運営、ニッポンレンタカーはEVレンタカーの提供、稼働状況・CO2排出削減量等の分析となる。 
 出光興産は2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。昨年11月に発表した中期経営計画(対象年度:2023~2025年度)では、「一歩先のエネルギー」「多様な省資源、資源循環ソリューション」「スマートよろずや」の3つの事業領域の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たすことを表明した。
 本実証の取り組みは、事業ポートフォリオ転換に向けた事業領域のうち「スマートよろずや」の事業開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けている。出光興産は種子島におけるエネルギーの多様化・低炭素化を目指し、系列サービスステーションを運営する種子島石油とともに、地域の豊かなくらしの実現に貢献する。
 またニッポンレンタカーは、本実証を通じて利用したユーザーの声を収集し、離島における EV車両導入のニーズとCO2削減効果の確認、走行距離と充電量にかかわるインフラ整備の検討を行うほか、今後のEV車両導入先の場所選定においても活用していく。

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