高機能材事業は増収減益 タキロンシーアイの23年3月期

2023年05月16日

ゴムタイムス社

 タキロンシーアイの23年3月期連結決算は、売上高が1457億2500万円で前期比2・7%増、営業利益は57億9100万円で同33・1%減、経常利益は59億2300万円で同34・8%減、当期純利益は24億6000万円で同63・1%減となった。
 高機能材事業セグメントは、売上高は227億2900万円で同5・1%増、営業利益は26億300万円で同17・2%減。高機能材事業は、前半の半導体需要の堅調から一転、後半は中国への輸出規制の影響もあり、製造装置向けの工業用プレート、エンプラ材の販売は大きく減速した。電子回路基板向けのナノ材料販売は、DRAMを中心としたメモリー市況の悪化が響き前年を下回った。一方、眼鏡フレーム用アセテート板の販売は、海外ブランドメーカーからの引き合いが旺盛で伸長した。マイクロモータは、上海ロックダウンによる操業停止の影響を受けたが、操業再開後は民生用機器向けを中心に高い水準を維持した。
 機能フィルム事業セグメントは、売上高が224億4200万円で同5・1%増、営業利益は1億2600万円で同91・2%減。ボンセット事業は、シュリンクフィルムが国内および欧州市場で原材料価格高騰に伴う製品値上げにより増収、北米市場では上期の原材料不足および下期の流通在庫調整の影響により数量面では苦戦を強いられたものの製品値上げと円安により増収となった。サンジップ事業は、ジッパーテープが国内販売は堅調ながら、海外販売は上海ロックダウンにより2ヶ月間に亘る操業停止を余儀なくされた影響により減収となった。
 建築資材事業セグメントは、売上高がは447億9500万円で同0・8%増、営業利益は24億8400万円で同8・5%減。住設建材事業は、建設資材や畜産飼料価格の高騰による設備投資減少の影響を受け、非住宅物件および畜産資材の
販売が低調に推移しましたが、原材料価格高騰に伴う製品値上げによる売上高の増加やサイネージの需要回復もあり、事業全体では増収となった。床・建装事業は、床材は国内におけるマンション改修物件が好調に推移しました。建装資材は海外市場の主力である欧州市場が更に減速し、事業全体の売上高はほぼ前年並みの結果となった。
 環境資材事業セグメントは、売上高が548億1600万円で同1・7%増、営業利益は3億400万円で同78・3%減。アグリ事業は、肥料を含む農業資材の価格高騰により生産者の投資意欲が低下し、販売量は低調に推移したが、価格改定や販売戦略の見直しにより増収となった。インフラマテリアル事業は、業界全体に新型コロナウイルス感染症による土木工事の発注数の減少および工事の中断などの影響が継続しており、当社インフラマテリアル事業全体で大型受注案件の長期中断や工事計画自体の変更などの影響が継続したため、減収となった。
 24年3月期の連結業績見通しは売上高が1540億円で同5・7%増、営業利益78億円で同34・7%増、経常利益が80億円で同35・1%増、当期純利益は50億円で同103・2%増を見込んでいる。

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