ダイセルの23年3月期業績は、売上高が5380億2600万円で前年度比15・0%増、営業利益は475億800万円で同6・3%減、経常利益は520億3500万円で同9・2%減、当期純利益は406億8200万円で同30・2%増となった。
セグメント別では、エンジニアプラスチック事業の売上高は2380億6200万円で同12・2%増、営業利益は253億1000万円で同14・5%増となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス事業は、日系自動車の下期生産台数減少による自動車部品メーカーの在庫圧縮や、スマートフォンなどの需要低下の影響を受け、コロナウイルスの影響からの需要回復で販売数量が急増していた前年度と比較し販売数量が減少した。ただ、継続的な販売価格の是正や、為替の影響で増収となった。
ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、フィルム、水溶性高分子などダイセルミライズの事業は販売数量の増加や、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正などで増収となった。
マテリアル事業の売上高は1548億1300万円で同26・0%増、営業利益は219億3600万円で同19・6%増となった。
酢酸は定期修繕に伴う販売調整や前年度高騰した酢酸市況の軟化で減収となった。酢酸誘導体は、電子材料やディスプレイ向けの需要低下により販売数量が減少したが、販売価格の是正で増収。
アセテート・トウは、加熱式たばこ用の需要増加などによる販売数量の増加、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正、為替影響より増収となった。カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは、自動車向け塗料保護フィルム用途などの需要拡大によりカプロラクトン誘導体の販売数量が増加したことや、原燃料価格上昇に伴う販売価格の是正などにより増収だった。
24年3月期通期の連結業績予想は、売上高が5720億円で前年度比6・3%増、営業利益は530億円で同11・6%増、経常利益は550億円で同5・7%増、当期純利益は440億円で同8・2%増を見込んでいる。
2023年05月11日