ランクセスがグリーン原料由来で提供 フレーバーやフレグランスなど全製品

2023年05月15日

ゴムタイムス社

 ランクセスは5月11日、フレーバー&フレグランスの全ての製品を2023年末までにグリーン原料由来で提供可能にすると発表した。
 その他、すべての香料、保存料、動物用栄養製品を「グリーン」原料由来で提供可能にし、持続可能な原材料の使用や、グリーン電力とバイオマスを使用した生産、世界の生産拠点5ヵ所のうち、3ヵ所が既にISCC PLUS認証を取得したと伝えている。
 同社は、2050年までにバリューチェーン全体でのクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指している。
 フレーバー&フレグランスビジネスユニットはその目標に向けて、2023年末までに、香料、保存料、動物用栄養製品のポートフォリオ全体で持続可能な様々な製品を提供する予定。この部門には、保存料の「カラガード(Kalaguard)」と「プロックス(Purox)」、香料の「カラマ(Kalama)」と「ピュロラン(Purolan)」などのブランドが含まれている。
 フレーバー&フレグランスビジネスユニットの責任者であるホルガ―・ヒュペラー氏は、「ランクセスは、生産体制を変革し、持続可能な製品を提供するパイオニアとして、パーソナルケアおよびホームケア産業におけるより持続可能な開発を積極的に行っている。同時に、お客様がご自身の持続可能性目標を達成できるよう支援している」と述べている。
 ポートフォリオの移行は、持続可能な方法で製造した製品の重要性が高まる市場に合致している。
 過去5年間で、パーソナルケアおよびホームケア分野のすべての新規登録に占める持続可能な認証製品の割合は倍増し、2022年には22%に達した。
 持続可能な原材料を供給するため、フレーバー&フレグランスビジネスユニットでは主要なサプライヤーと戦略的な協力関係を結んでいる。この持続可能な原材料ポートフォリオには、原油誘導体の代替としてのバイオベースの原材料や循環型原材料が含まれるが、持続可能な電気分解生成物など再生可能エネルギーの使用によりカーボンフットプリントを削減した原材料も含まれる。
 また、同社は生産設備で持続可能な原材料を使用する際、ISCC PLUSのマスバランス方式に基づいて認証された原材料を使用することを重視している。
 同社の生産拠点でも、持続可能なエネルギーへの転換を行っている。フレーバー&フレグランスビジネスユニットは、ボトレック(オランダ)とクレフェルト・ユルディンゲン(ドイツ)の拠点向けに新たにグリーン電力の供給契約を結んだ。
 ナグダ(インド)では、電力と蒸気はバイオマスから作られている。
 プロセスの最適化と残留物のリサイクルに向けたさらなる対策を行い、ビジネスユニット全体のCO2換算排出量は2021年の設立以来、年間36万tから23万tと、3分の1以上減少した。そして、さらに多くのプロジェクトが進行中となる。
 持続可能な製品提供の前提条件はフレーバー&フレグランスビジネスユニットの生産拠点 5ヵ所すべてのISCC PLUS認証となる。
 クレフェルト・ユルディンゲン、ボトレック、ナグダはすでに認証を取得している。
 これに続いて、カラマ(米国)とウィッドネス(英国)が2023年中頃までに取得予定となる。この認証はバリューチェーン全体を通して持続可能な原材料の使用に関する透明性を確保するもので、化学業界のベンチマークとなりつつある。
 同社のフレーバー&フレグランスビジネスユニットは、香料、保存料、動物用栄養製品の開発・製造を行っている。
 消費者はこれらの製品を、化粧品や家庭用ケア製品、洗剤や洗浄剤、飲料、焼き菓子、キャンドル、オイル、動物用栄養製品など、多くの日用消費財に見出すことができる。
 ポートフォリオには、製薬、農薬、建設など工業用の特殊化学品も含まれている。このビジネスユニットは約750人の従業員を有し、世界の拠点5ヵ所に生産設備を保有している(クレフェルド・ユルディンゲン、ボトレック、カラマ、ナグダ、ウィッドネス)。
 フレーバー&フレグランスビジネスユニットは同社のコンシューマープロテクション部門の一部で、2022年に約24億ユーロの売り上げを達成した。これは、ドイツ・ケルンで4月26日に発表したリリースをもとに、同社が発表したもの。
 同社は、世界33ヵ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカー。2022年の総売上は81 億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約1万3100人。主な事業は、中間体、添加剤、コンシューマープロテクション製品の開発、製造とマーケティングとなる。
 同社は、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄となる。

 

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