自助具「くぅぽの」販売開始 ユニチカトレーディング

2023年05月16日

ゴムタイムス社

 ユニチカトレーディングは5月16日、3Dプリンターで製作する形状変形可能な自助具「くぅぽの」の販売を開始したと発表した。
 本製品には、ユニチカが開発した3Dプリンター用感温性特殊フィラメンと「TRF(Thermo Reactive Filament)」の改良版である「TRF+H」を使用、「TRF+H」で3Dプリントした造形物は、約45℃以上に加温すると柔らかくなり形状を変化させることができる。
 同社はこの特長を最大限に活かして既製品でありながら使用する人に合わせて調整できる自助具を開発し、「くぅぽの」ブランドで販売を展開する。
 第一段階として「くぅぽの」専用のブランドサイトを開設し情報発信を行うと共に、同社のオフィシャルショップ(eコマース)で、障害のある人や介護関係者向けのネット販売も開始する。また、介護用品カタログ販売事業者様との取り組みを模索し、全国のリハビリテーション施設、福祉ホーム、関連団体等に広く商品を提案する予定となる。
 同社は自助具ブランド「くぅぽの」を通じて、障害のある人の自立支援と社会活動への積極参加の促進に貢献する。
 自助具「くぅぽの」(kūpono)はハワイ語で「自然な」や「ありのま」という意味がある。障害のある人が自助具を使って自分でできることが増えることで、「自然と自分らしさを表現できるように」との願いが込められている。
 基本コンセプトは、製品の企画・設計を作業療法士が監修し、使われる方や介助する方にとって安全で使い易い商品であることを一番に考え、3Dプリンターでの造形・仕上げは奈良県香芝市の就労支援施設「Good Job! センター香芝」に依頼、「くぅぽの」を使う人が増えれば、その分だけ仕事と対価を同センターに還元できるサイクルを作る。
 その他、「超高齢化社会」において介護する人口が減少する中、高齢者の自立支援に貢献できる商品を提供することで、社会的な問題の解決に企業として取り組み、大量生産・大量消費ではなく、本当に必要なものを適切な数量で供給するという新しいモノづくりを確立し、廃プラ等による環境負荷の軽減に努める。
 商品は、食事のサポートを主としたユニバーサルデザインの固定具3タイプを発売する。
 グリップホルダーは、素材特殊ポリエステル、 重量26g、価格2530円(税込)となる。ハンドホルダーは、素材は、本体が特殊ポリエステル、バンドがポリウレタン、重量は16g、価格は3520円(税込)となる。リストホルダーの素材は、本体が特殊ポリエステル、バンドがポリウレタン、重量は22g、価格は5720円(税込)となる。
 自助具「くぅぽの」WEB サイトには「くぅぽの」のプロモーション動画をはじめ、製品の詳細やフィッティング方法の動画、チームメンバーのインタビュー記事などを掲載している。
 今後発売を開始した手指固定具は継続的な改良を行い、さらに利便性を高めた自助具へと進化させる予定となる。また、自助具の制作を行っている作業療法士やNPO法人、ボランティアと積極的な交流を図り、障害のある人が自ら動作を行う上で、必要な機能を研究・開発し、使い手にとって本当に必要な商品を提供していく。

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